冬にご注意! 猫の膀胱炎について
冬に特に注意しなければならない病気の1つが、猫の膀胱炎です。
寒くなると、水を飲む量が減る、運動量が減る、トイレを我慢する子が増えるなどのことから尿が普段よりも濃縮されてしまい、結果として膀胱炎を発症するきっかけをつくってしまうからです。
ここでは、病気の原因や症状などを解説していきます。
冬にはご家庭の猫の様子をよく観察して膀胱炎になっていないか注意しましょう。
目次
原因・症状
猫の膀胱炎は、特発性膀胱炎と細菌性膀胱炎に分けられます。
猫では膀胱や尿道の病気(下部尿路疾患)がとても多く、そのうち半数以上の猫が特発性膀胱炎と診断されています。
特発性膀胱炎の原因としては、ストレスや肥満などが挙げられますが、はっきりとはわかっていません。また、中齢(2~7歳)のオスで発症することが多いと知られています。
一方で細菌性膀胱炎は、大腸菌などの感染によって起こり、10歳以上のメスに多いといわれています。
膀胱炎にかかると、頻尿、尿に血が混じる(血尿)、尿をするときに痛みを伴う(排尿痛)、強い尿意を感じる(尿しぶり)といった症状がみられます。
また猫の膀胱炎に関連して、膀胱内の炎症産物(白血球、上皮細胞など)が尿道内で栓を作ってしまう場合もあります。
この栓が尿道の道を閉塞してしまい、いわゆる尿道閉塞になってしまうことがあります。
この状態のままで時間が経過すると腎臓に負荷がかかりとても危険な状態となるため、症状の中で、排尿が認められない時には緊急性が非常に高いです。
また、細菌性膀胱炎が重症化すると、細菌が腎臓にまで感染し、腎盂腎炎(じんうじんえん)という病気を引き起こしてしまう可能性もあります。
こちらもとても危険な状態ですので、早期発見・早期治療が重要です。
診断・治療
膀胱炎を診断するには、尿検査のほかにも、レントゲンやエコー検査が必要です。
尿検査では、尿路結石の元になる物質(尿結晶)や細菌そのものがみられることもあります。また、細菌性が疑われる場合は尿を培養して、詳細を確かめる必要があります。
特発性膀胱炎の治療では、根本的な原因がわからないため薬による治療というよりも、飼育環境を変えてストレスを和らげる、トイレの種類を変える、飲水箇所の増設やトイレの増設、食事をウェットフードに変える、などをすることで回復を期待します。
一方で細菌性膀胱炎の場合は、原因となる細菌に対して抗菌薬を投与して治療します(1週間~2週間の投与が推奨されています)。
予防方法
膀胱炎の発症予防では、
・水をたくさん飲むようにする
・トイレを我慢しない
・ストレスを与えないようにする
・飼育頭数プラス1個分のトイレを用意する
などが大切です。
冬場は水を飲む量が減ってしまうため、暖かい部屋で水を飲めるようにしたり、水飲み場の数を増やしたりするなどの工夫をしてみましょう。
また、飼育頭数プラス1個分のトイレを用意することで常に清潔なトイレを確保し、愛猫がストレスを感じず排泄できる環境を整えることも膀胱炎の予防につながります。
まとめ
冬は猫の膀胱炎が多い時期です。
尿の色やトイレの回数などをご家庭でもよく観察していただき、変化がみられるようであればすぐに動物病院を受診してください。
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※記事作成当時のエビデンスに基づくもので最新のものと異なる可能性があります。