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DAIGO PET CLINIC

犬や猫の下痢について

一緒に過ごしている犬や猫が急に下痢をしてしまったことはないでしょうか。我々人間がお腹を壊すように、動物もお腹を壊してしまいます。

原因は様々で、よくみられるものは食事の変更や新しいおやつをあげたとき、食事性のアレルギー、人間の食べ物を食べたときなどです。
そのほかにも、感染症や薬剤過敏症、自己免疫系疾患、腫瘍などがあります。

また、下痢の回数や色などでも原因や治療法は異なるため、一概に「下痢止めを飲ませておけば大丈夫」というわけではありません。
今回はその原因と症状、治療法について解説します。

症状に対する原因や対処・処置について

12-3回前後の下痢、軟便〜泥状の便が主体の場合

この下痢のタイプは小腸性下痢と呼ばれます。
胃や空腸、回盲腸で何らかの異常が発生し、下痢が起こります。
原因の多くは感染性と非感染性に分類されます。

感染性であれば細菌(クロストリジウムやカンピロバクターなど)やウイルス(パルボウイルス、コロナウイルスなど)、寄生虫(特に若齢の犬や猫は注意)が原因となります。

非感染であれば食事性アレルギーや食中毒、消化不良による腐敗や発酵、刺激物(抗菌薬といった薬剤など)による迷走神経刺激(過敏性腸症)などが原因となります。

多くはありませんが、自己免疫疾患(自分で自分を攻撃してしまう病気)が関わる場合もあります。

 感染性の多くは、腐敗した食事や汚染した飼育環境からの曝露(読み方:ばくろ、汚染物質と接触すること)が原因です。
すなわち、
衛生環境を整えることが予防と治療のためには重要です。

また、ウイルス性腸炎は混合ワクチンの接種により高い感染予防効果が期待できるため、非常に有効といえるでしょう。

食事関連による下痢は小腸での吸収不良やアレルギー反応によるものが多いため、病院で処方される消化器ケア用の療法食や低アレルゲン食を使用するのが良いでしょう。

13-4回以上の頻回の下痢、出し渋りしている様子が何度かみられる、粘液便〜水下痢の場合

この下痢のタイプは大腸性下痢となります。
本来大腸は水分を吸収する場所のため、この領域に炎症(いわゆる大腸炎)が起こると
粘性〜水溶性の下痢が何度も起こります
ひどい場合は粘血便が出ることもあります。

大腸炎の原因の多くは食事性で、その他小腸性と同様に感染性や過敏性などがあります。
治療は基本的には小腸性下痢と同様で、食事療法が主体となり、必要に応じて下痢止めや抗菌薬が処方されます。

重度の血便、真っ黒い便が出ている場合

重度の大腸炎や慢性化(症状が3週間以上続く)した下痢では血便が出ます。血混じりの場合もあれば、大量の鮮血便が出てくることもあります。
また、真っ黒い便が出てきたり、所々に黒い便が混じったりしている場合、上部消化管(胃や十二指腸など)から出血していることを意味します。
犬や猫の状態にもよりますが、このような便がみられたら
緊急性が高いため、すぐに動物病院を受診しましょう

まとめ

一度下痢が起きると2-3日前後は続くことがあります。食欲不振や嘔吐がみられる場合もあるため、上記症状がみられたらまずは動物病院に相談しましょう。
病院に来院される際は、原因の特定をしやすくするため、新鮮な便を持参されることをおすすめします

なお、高齢になれば消化器疾患だけでなく、腫瘍や代謝疾患(腎臓病や肝臓疾患、ホルモン疾患など)が原因で下痢をすることもあるため注意しましょう。

 

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※記事作成当時のエビデンスに基づくもので最新のものと異なる可能性があります。