動物の外耳炎について
外耳炎とは、何らかの原因で外耳(耳の入り口から鼓膜まで)に炎症が起きている状態のことです。これは猫でもみられますが、犬に多いことが特徴的です。カリカリと耳をかく様子がイメージされるでしょうか。外耳炎の症状は見た目でもわかりやすく、ご自宅でケアすることもできるので、ここでは症状とその対処法についてお話します。
目次
原因・症状
犬の外耳炎の原因として、アレルギー、ダニ(ミミヒゼンダニ)、異物などが挙げられます。そのため、もともと食物アレルギーやアトピー性皮膚炎といった病気をもつ犬では注意が必要です。
また、コッカー・スパニエルは耳の病気が多い犬種として知られています。なお、猫ではほとんどの場合、ダニの寄生によって外耳炎が起こるようです。外耳炎になると、耳が赤くなり、痒がったり、こげ茶色の耳垢がくっついたり、独特のにおいがすることもあります。
また慢性化すると、耳の皮膚が厚ぼったくなります。さらに状態が悪化すると、耳の環境が変化してブドウ球菌やマラセチアといった菌などが増殖し、さらなる悪循環を引き起こしてしまいます。あるいは炎症が波及し、中耳炎をわずらってしまうこともあります。
診断・治療
外耳炎の原因を探るため、まずは耳を観察し、耳垢を顕微鏡で観察します。外耳炎を治すためには、耳の中を洗浄してきれいにする必要があります。そのうえで、痒みを抑える薬や抗菌薬などを耳に投与します。
また、ダニが寄生している場合は駆虫薬を使用し、アレルギーがある場合はアレルギーに対する治療を施します。重症度や原因にもよりますが、治療が長引く可能性があることも理解しておきましょう。
日常での注意事項
外耳炎を防ぐため、できる範囲で耳を清潔に保つようにしてください。また、耳が赤くなっていないか、耳垢がたまっていないか、変なにおいはしないかなど、ご自宅でもチェックしてみましょう。お手入れの方法や観察するポイントがわかりにくい場合は、獣医師に相談してください。
※記事作成当時のエビデンスに基づくもので最新のものと異なる可能性があります。