吠える原因に対しての対策が重要|無駄吠えの原因と対策について
ご家庭の犬がしきりに「ワンワン」と吠えてしまい、困っている飼い主さんは多いかと思います。
これは、いわゆる無駄吠えと呼ばれる行動ですが、犬には意思があり、決して何の理由もなく吠えているわけではありません。
治療するには、原因をはっきりと突き止め、ご家庭で適切なトレーニングを施す必要があります。
今回は犬の無駄吠えの原因と治療法について解説しますので、お困りの方はご家庭でも実践してみてください。
目次
原因
そもそも犬が吠える理由として、警戒、要求、興奮、不安、ストレス、遠吠えなどが挙げられます。
これらの吠えにはそれぞれ背景があり、過剰でなければ無駄吠えとはいえません。
基本的には、何らかの条件(例えば、チャイムが鳴る→興奮あるいは警戒して吠える→来客)を犬が学習し、その条件に当てはまったときに過剰に吠えてしまう(例えば、チャイムが鳴る→来客の有無にかかわらず吠え続ける)状態を無駄吠えといいます。
その原因の一例としては以下のとおりです。治療するには、原因に沿って対応することが重要です。
1.チャイムや来客に吠える:興奮あるいは警戒
2.外の車や人に対して吠える:興奮あるいは警戒
3.家族に対して吠える:要求
4.留守中に吠える:不安
5.高齢の犬が昼夜問わず吠え続ける:認知機能の低下
ご家庭での治療法
上述の原因ごとに治療法を解説します。
1.まずは、チャイムが鳴っても何も起きないことを学習させる必要があります。
チャイムが鳴っても無視し続けると、吠えていても次第に落ち着いてくるので、吠えなくなったらご褒美を与えましょう。
チャイム~ご褒美の流れを繰り返すと、次第に犬はチャイム=ご褒美という条件を結び付けて、吠えにくくなります。
あるいは、チャイムが鳴って吠えた後、落ち着いたらご褒美を入れたクレート(ハウス)に誘導し、チャイムとクレートに入る行動を条件付ける治療法もあります(クレートトレーニング)。
クレートトレーニングは災害時や来院時にも活躍しますので、詳細は獣医師までお尋ねください。
2.外が見えないように、窓の下を半透明のフィルムのようなもので覆うと、刺激を減らすことができます。
または1と同様に、外の車や人に対して吠えても無視し続け、吠えなくなったらご褒美をあげる(あるいはクレートに誘導する)治療法も活用できます。
3.要求に対して応えないように、無視することが重要です。
または1と同様に、家族に対して吠えても無視し続け、吠えなくなったらご褒美をあげる(あるいはクレートに誘導する)治療法も活用できます。
4.1と同様にクレートトレーニングを実施し(ハウスと指示するとクレートに自ら入るようになることが理想です)、留守中はクレートで安静に過ごさせます。
あるいは、不安を和らげる薬(抗不安薬)を処方されることもあります。
5.現在のところ、根本的な治療法はありませんが、環境を改善して刺激を少なくしたり、抗不安薬などが処方されることもあります。
注意事項
犬が吠えるには何らかの原因があります。
ご褒美やクレートによるトレーニングも重要ですが、まずは環境を整備し、ストレスを少しでも軽減する必要があります。
また、犬の無駄吠えに対して叱って止めようとしても、条件付けされなければ効果はありません。
治療がうまくいかない場合は、お気軽に病院までお尋ねください。
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