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犬の行動に注目!カーミングシグナルの意味とストレスサイン理解のコツ

犬は言葉で気持ちを伝えることはできませんが、体の動きや表情を使って「今こんな気持ちだよ」とサインを送っています。その中でも注目したいのが「カーミングシグナル」と呼ばれる仕草です。

あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、実は犬たちが日常的によく見せている行動です。
たとえば「急にあくびをする」「目が合った瞬間に視線をそらす」といった何気ない動きには、不安や緊張を和らげようとする気持ちや、相手を落ち着かせたいという配慮が込められていることがあります。

今回は、犬が見せるカーミングシグナルの意味や、ストレスを感じているときのサイン、それらを読み取るポイントについて解説します。

犬のカーミングシグナルとは

「カーミングシグナル」とは、犬が本能的におこなう「相手や自分を落ち着かせるための行動」のことです。不安やストレスを感じたときに、自分自身を落ち着けるほか、相手に安心してもらうためにもこうした仕草を見せます。これにより相手との衝突を避けたり、自分の気持ちを伝えたりしています

たとえば、犬同士が初めて出会ったとき、いきなりにらみ合うのではなく、目をそらしたり体を横に向けたりすることがあります。これは「ケンカするつもりはないよ」というサインです。

つまりカーミングシグナルは、犬にとってコミュニケーションの大切なツールなのです。

 

よく見られるカーミングシグナルの例

では、実際にどんな行動がカーミングシグナルに当たるのでしょうか。日常でよく見かけるものをいくつか紹介します。

あくびをする
眠気ではなく、緊張を落ち着けたいときにも見られます。知らない環境や病院などで頻繁に出やすい仕草です。

視線をそらす
相手の目をじっと見ることは挑発になりやすいため、視線を外して「安心してね」と伝えています。

体をブルブル震わせる
水を払うような動きですが、ストレスのあとに気持ちを切り替える行動としても表れます。

ゆっくりした動き
急な動作で刺激しないよう、あえてスローペースで歩いたり近づいたりすることがあります。

舌で口元をなめる
緊張や戸惑いを感じるときに、ペロッと舌を出すことがあります。初対面の人や知らない場所でよく見られるサインです。

こうしたサインに気づくことで、犬がどんな気持ちを抱えているのかをより深く理解できるようになります。

 

カーミングシグナルから分かる犬の気持ち

多くのカーミングシグナルは、不安やストレスがかかった状況で見られます。たとえば、突然大きな音がしたときや、見知らぬ犬に近づかれたときなどがその一例です。

一方、リラックスしているときにはまた別のサインが出ます。お腹を見せて寝転がる、しっぽを自然に振る、穏やかな呼吸で眠るなどは「安心している」という気持ちの表れです。

ストレスサインとリラックスサインを区別できるようになると、犬の心の状態をより正確に捉えることができます。

 

飼い主様ができる対応

犬がカーミングシグナルを出していたら、飼い主様はどう接するのが望ましいのでしょうか?

・抱っこやスキンシップを無理にせず、そっと見守る
 …不安を感じているときに過度な接触は、かえってストレスになることがあります。

・叱らず、安心できる環境を整える
 …静かな場所に移動させる、照明や音を落ち着かせるなど、安心できる空間を用意しましょう。

・苦手なものや状況から距離をとる
 …無理に近づけず、落ち着ける距離感を保つことが大切です。

・サプリメントの利用
 …不安に配慮したサプリメントが利用できます。ダイゴペットクリニックではジルケーンやカーミングケアをおすすめしています。

 ■ジルケーンについてはこちら
 ■カーミングケアについてはこちら

このように、小さなサインに耳を傾けることが「分かってもらえた」という安心につながり、犬はより落ち着いて過ごせるようになります。

 

問題行動の予防と絆づくりにつながる理由

カーミングシグナルを理解できるようになると、犬のストレスを減らすことができ、「吠える」「噛む」といった問題行動の予防にもつながります。
犬は自分の気持ちに対して適切に反応してくれる相手を、信頼できる存在として認識します。そのため、日常の中でカーミングシグナルに気づいて対応することが、落ち着いた行動や穏やかで人懐っこい性格づくりにもつながっていきます。

 

まとめ

犬が示す「カーミングシグナル」は、ただの仕草ではなく、大切な気持ちのサインです。
意味を知ることでペットの行動がより理解できるようになり、犬との生活をより豊かなものにしてくれます。

もし「ストレスが強そう」「対応の仕方が分からない」と感じたら、動物病院で相談することがおすすめです。
当院は医療面だけでなく、獣医学・行動学的知見からの専門的なアドバイスの提供やご相談も可能です。

小さな仕草に耳を傾けることが、犬との関係をより豊かにしていく第一歩です。今日からぜひ、カーミングシグナルに注目してみてくださいね。

 

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※記事作成当時のエビデンスに基づくもので最新のものと異なる可能性があります。