CLINICAL DEPARTMENT

診療科別

DAIGO PET CLINIC

犬や猫に寄生するノミ・ダニ ~秋でもご注意を!~

ふと犬や猫の体を見ると、黒っぽいノミの糞や丸く膨らんだダニがくっついていた経験がある飼い主さんも多いと思います。一般的にノミやダニは夏に活動的なイメージがありますが、春から秋にかけて、あるいは冬でも被害があるため、通年予防がおすすめです。

また、犬・猫だけでなくわれわれ人間にも寄生し、様々な病原体を媒介する危険があります。自分の身を守る意味でも、秋になってもまだまだ注意が必要です。

発生時期や特徴、注意点

ノミもダニ(主にマダニ)も、春から秋にかけて活動が盛んになります。ただし、冬でも完全に死滅するわけではなく、家の中に潜んでいる可能性もあります。どちらも草むらや藪などに生息しているため、お散歩のときには特に気をつけましょう。また、外から持ち帰ったノミ・ダニが家の中に住みついてしまうこともあります。

ノミの症状・予防

ノミに背中やおなかなどを咬まれると、赤くなって強い痒みを覚えたり、アレルギー性皮膚炎が起こったりします。また、ネコノミは猫ひっかき病の病原体を媒介するため、注意が必要です。

ノミの寄生を予防するために、市販のスポットタイプの駆除薬を使うと効果的です。定期的にシャンプーをしてあげると、よりよいでしょう(犬では月に1回程度)。加えて家の中を掃除して、体にくっついている虫だけでなく、飼育環境中のノミを排除することも重要です。

ダニの症状・予防

多数のダニに咬まれると、痒くなったりアレルギーや貧血を起こしたりします。また、引っかいてしまうと皮膚が傷つき、化膿してしまうこともあります。

また、ダニはウイルスや細菌など、多種多様な病原体を運ぶことが知られています。最近では重症熱性血小板減少症候群(SFTS)という病気が注目されていて、人にも感染して死亡する例も報告されているので、特に気をつける必要があります。人での致死率は6.3~30%と報告されていて、日本ではこれまで641人の患者のうち、80人が死亡しています(2021年7月28日現在)。

ダニの予防には、スポットあるいはチュアブルタイプの駆除薬が有効です。お散歩から帰ってきたら、ダニがついていないかを確認しましょう。無理に取ろうとすると皮膚にマダニの口器が残る可能性があるので、取りついたダニを見つけた場合は動物病院への受診をお勧めします。

ノミ・ダニに取り付かれないためには、まずは駆除薬を使った定期的な予防が重要です。体重がわかっていれば薬のみの処方も可能です。また、予防薬には様々なタイプがあるので、迷われている方はお気軽にご相談ください。もしノミやダニを見つけたら、すぐに動物病院を受診しましょう。

※記事作成当時のエビデンスに基づくもので最新のものと異なる可能性があります。