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DAIGO PET CLINIC

犬と猫の発情について|発情のメカニズムを解説

犬や猫が妊娠して赤ちゃんを産み、次の世代へと命のバトンをつなぐためには、発情という生理学的なしくみがカギになります。一般的なご家庭で繁殖を考える方は少ないかもしれませんが、望まない妊娠を防ぐため、あるいは乳腺や子宮に関係する病気を予防するために、避妊手術を受ける方は多いかと思います。
当院では犬・猫ともに、性成熟が完了し発情が現れる生後6~12ヶ月の時期での避妊手術の実施を推奨しています。

今回は、適切な時期に避妊手術を実施していただくためにも、そのメカニズムや関連する病気などをまとめました。

発情とは

犬や猫が性成熟すると、精巣や卵巣といった繁殖に関係する臓器が機能しはじめ、交配して子を妊娠することができるようになります。
発情は、交配に向けてオスを受け入れる準備が整った状態を指します。そのしくみは犬と猫では異なっているので、以下に分けて解説します。

犬の発情のメカニズム

犬種や体格によっても前後しますが、一般的に小型犬では8~10カ月、大型犬では10~12カ月ごろになると性成熟するといわれています。
犬には発情周期と呼ばれる発情のサイクルがあり、その中で1回だけ発情を示します。発情周期は、発情前期、発情期、発情休止期、無発情期の4期に分けられ、6~10カ月間隔で繰り返されます。

①発情前期

陰部が赤く腫れあがり、粘液状の出血が見られます。3~27日ほど、平均では8日ほど続くといわれていますが、未避妊の場合は病気ではなく生理的なものなので、ご安心ください。

②発情期

オス犬を受け入れる時期で、5~20日ほど、平均では10日ほど続きます。発情期の3日目に排卵するため、その時期に交配させると妊娠に至ります。

③発情休止期

発情期が終わって、オス犬を受け入れなくなる時期で、2カ月ほど続きます。

④無発情期

次の発情前期まで続く発情がない期間で、4~8カ月ほど続きます。

猫の発情のメカニズム

メス猫は6~10カ月で性成熟するといわれています。
猫はもともと季節繁殖動物で、日の長さを感知し、1~8月に限って発情を繰り返す動物ですが、屋内で飼育されている猫は家の照明によって季節性がなくなり、1年中繁殖が可能になっています

メス猫の発情にも発情周期とよばれる、4つ段階を繰り返す発情サイクルがあります。

①発情前期

行動が活発的になり、飼い主に擦り寄ってくるなど甘えた行動をとる事が多くなります。
排尿回数が増え、トイレのしつけが済んでいてもトイレ以外で排尿するケースがあります。食欲が落ちてしまう子や粗相をしてしまう子もいますが、発情に伴う症状ですので避妊によって治まります。しかし、この時点ではオス猫が寄ってきても交尾は許しません。
期間としては約1〜5日間続きます。

②発情期

発情のピークを迎え、メス猫がオス猫を受け入れる交配期になります。
発情前期の動作が活発になり、飼い主に体や顔を擦り付ける行為も発情前期より激しくなります。お腹を床につけてお尻を高く持ち上げる行為(ロードシス)や、背中を床に付けてクネクネする行動などがみられます。また、より一層大きな声で鳴くようになります。

猫の発情は、犬と違い出血がまったくみられません。出血がみられた場合は、何かしらの疾患を抱えている可能性があるので、すぐに病院へ連れていきましょう。
発情期は約4〜10日間続きます。

③発情後期

この期間に入ると発情行動を示さなくなります。交尾後50時間で排卵され、卵胞が退行して発情後期となります。期間は約1〜3日間です

ただし、発情期に交尾をしなかった場合、または交尾しても排卵が起こらなかった場合には約7日間この時期が続き、卵巣で新たな卵胞が発育して、再び発情前期に移行していきます。

④発情休止期

次の発情期までの休止期間です。
妊娠した場合には約2か月で出産をし、次の繁殖期まで発情しません。妊娠していない場合は、また発情前期のサイクルに戻ります。

一方で、オス猫には明確な発情期はなく、発情中のメス猫に近づくとそれにつられて発情します。オス猫の性成熟は生後3ヶ月ごろから始まります。

発情と関連する病気と予防

避妊手術の記事でもご紹介しましたが、発情期には性ホルモンが多く分泌されるため、子宮蓄膿症、ホルモンの病気(糖尿病など)、腫瘍(卵巣、子宮、乳腺など)といった病気の発生につながることが知られています

これらの予防策としては避妊手術が非常に有効で、特に乳腺腫瘍に対しては1歳未満での避妊手術による乳がん発症予防効果は約90%と言われています。また最近では、腹腔鏡による避妊手術も導入されはじめて、より少ない傷で負担をかけることなく実施することも可能です。

避妊手術や乳腺腫瘍に関しては下記の記事でも解説しています。
犬・猫の「避妊手術」について
犬の乳腺腫瘍とは?
猫の乳腺腫瘍について

まとめ

発情は病気ではないので、犬の陰部が腫れて出血が見られたり、猫が床を転がりまわったりしても、命の危険はありません。しかし、発情期の大きな鳴き声が近隣の迷惑になってしまったり、発情によって病気を引き起こしてしまったりすることもあるので、生後半年を過ぎたら動物病院を受診し、避妊手術を検討していただくことをおすすめします。

 

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■秋でもノミやマダニには気をつけましょう!
秋になると暑さも落ち着き、犬や猫を連れてお散歩やレジャーにお出かけする機会も増えるでしょう。その際はノミやマダニにご注意ください!一般的にノミやダニは夏に活動的なイメージがありますが、春から秋にかけて、あるいは冬でも被害があるため、ノミ・マダニ予防をしっかり行うようにしましょう!
ノミやマダニについてはこちらでも詳しく解説しています

<参考文献>
日本獣医内科学アカデミー 編. 獣医内科学. 第2版. 文英堂出版.