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DAIGO PET CLINIC

犬の乳腺腫瘍とは?

私たち人間でも乳腺腫瘍(悪性の場合は乳がん)は社会的な問題になっていますが、でも頻繁に発生し日本においては最も発生頻度の高い腫瘍です。乳腺腫瘍とは、乳腺に発生する腫瘍のことで、中~高齢の雌で多発します。犬では良性と悪性の占める割合が半々ぐらいと言われており、犬の腫瘍としては注意が必要なものの1つです。

原因・症状

乳腺腫瘍の発生にはホルモンが関係すると考えられています。そのため、発情が来る前(もしくは1回目まで)に避妊手術をすることで、腫瘍の発生を大幅に防げる事がわかっています(初回発情前99.5%低下.2回目発情前92%低下)またその症状は、腫瘍の悪性度や進行度合いによっても様々です。

腫瘤(腫瘍の塊)が小さいときは乳腺のしこりとして見つけられ、問題なく生活を送ることができます。ただし、症状が現れない段階でも他の臓器やリンパ節に転移していたり、しこりが1カ所ではなく複数箇所に散らばっている可能性もあるので、少しでも違和感を覚えたら動物病院の受診が必要となります。一方で、腫瘤が大きくなると表面が潰瘍化して、赤くなって出血したり、痛みを伴ったりすることもあります。あるいは、元気・食欲がなくなる、痩せてくる、といった全身状態の変化も認められます。

診断・治療

診察では、一般的な身体検査はもちろんですが、他の腫瘍と区別するためにX線検査や生検といった踏み込んだ検査を行います。治療には外科手術を実施して、腫瘤を乳腺ごと切除しなければいけません。ただし、悪性度が高いと腫瘍が転移する可能性が高くなるので予後が悪く、手術後も定期的に経過を観察する必要があります。また、術後に高リスク群だと判定された場合は化学療法(抗がん剤治療)を用いることもあります。

日常での注意事項

ペットと触れ合っているとき、飼い主が乳房に何らかのしこりを見つけることもあるので、普段から気を付けて早期発見に努めましょう。特にしこりの大きさが3cm以上だと、生存期間が大幅に短くなることがわかっています。さらに、適切な時期に避妊手術を行うことも効果的です。異変を感じたらすぐに動物病院を受診しましょう。

※記事作成当時のエビデンスに基づくもので最新のものと異なる可能性があります。