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皮膚にぽこっとしたしこりがみられる!?|犬の脂肪腫について

犬には皮膚のできもの(腫瘍)がみられることがあります。腫瘍は悪性のものもあれば、良性のものもあります。
脂肪腫は良性の腫瘍の一種で、小さければ害を及ぼすものではありませんが、大きくなると歩きづらくなることもあります。
皮膚にぽっこりとしたやわらかいしこりがみつかったら、それは脂肪腫かもしれません。
今回は脂肪腫について解説していきます。疑わしいものがみられたら動物病院を受診しましょう。

症状・原因

脂肪腫とは、皮膚にできる良性の腫瘍で、高齢の犬によくみられます

ある研究では、犬の皮膚の腫瘍のうち9.69%を占めたことが報告されています。
大きさは進行度合いによって異なりますが、ドーム状でやわらかく、ぽっこりと盛り上がってみえることが特徴的です
腫瘍自体が小さければこれといった症状はみられませんが、大きく腫れあがると歩きづらくなり、擦れて赤くなることもあります

一方で、同じく良性ではあるものの局所浸潤性が強く(がん細胞が隣あった組織や臓器に広がりやすいこと)、筋肉や神経などを圧迫して悪影響を及ぼすものも確認されています(浸潤性脂肪腫)。
原因はよくわかっておらず、品種に関係なく発生します。

診断・治療

皮膚の腫瘍には様々な種類があるので、まずはできものがどういった細胞でできているのか、良性なのか悪性なのかを判断する必要があります。
動物病院では、できものを実際に触ったり見たりするとともに、針を刺して細胞を観察することもあります(細胞診)。

腫瘍が小さく脂肪腫である可能性が高い場合は、積極的には治療せず定期的に様子を見ます。
大きな脂肪腫であれば、手術を実施して摘出します。
摘出したできものを組織検査することで確定診断が得られます。

また再発を予防するため、手術とあわせて補助的に放射線治療を施すこともあります。
一般的には、術後の再発は少ないことが知られています。

※放射線治療についてはこちらの記事で解説しています。

まとめ

普段から犬の身体に触って、異常がないかどうかをチェックしましょう
そして、犬の皮膚にぽっこりとしたできものができていたら、まずは動物病院を受診して、どんな腫瘍なのかを調べてもらいましょう。
小さな脂肪腫であれば問題にならない場合が多いですが、同じような見た目でも、肥満細胞腫や軟部組織肉腫といった悪性腫瘍の可能性もあるので、注意が必要です。

豊田市で動物病院をお探しの方はダイゴペットクリニックへお越しください。(岡崎市、日進市、名古屋市名東区にも分院があります。)

当院では腫瘍科診察に力を入れております。腫瘍科アドバイザー、獣医腫瘍認定医が在籍していますので、普段飼っておられるわんちゃん、ねこちゃんにおいて、ご心配な点がありましたら是非診察にお越しください。

※記事作成当時のエビデンスに基づくもので最新のものと異なる可能性があります。