犬と猫の抗がん剤治療について|犬や猫ががんになってしまったときの大切な1つの選択肢
抗がん剤治療(化学療法とも呼ばれます)は、手術、放射線療法と並んで、がんの3大治療法の1つといわれています。
私たち人間だけでなく、犬や猫でも一般的な治療法です。
今回は抗がん剤治療について、どういった病気が治療の対象となるのか、治療の流れやメリット・デメリットについて解説します。
抗がん剤治療と聞くと不安を感じられる方も多いかもしれませんが、過度に恐れる必要はなく、ご家庭の犬や猫に腫瘍が見つかった時には1つの選択肢になります。
目次
抗がん剤治療の目的と適応される病気
抗がん剤治療は、がんにかかった犬や猫の治療や再発予防、延命、腫瘍自体の縮小、症状の緩和や生活の質(QOL)の向上・維持を目的に実施されます。
犬や猫では完治を目指さず、薬の投与量を極力少なくしつつ、QOLの維持を最優先することが多いです。
また、そもそもがんには様々な種類があり、手術で十分に治るもの、放射線治療に反応するもの、抗がん剤治療が効くものなど、種類ごとに特徴が異なります。
抗がん剤は血液を介して全身に投与できるため、全身にできる腫瘍(リンパ腫など)や、悪性度が高くて他の治療では治療しきれない腫瘍(血管肉腫など)に対する選択肢の1つとして挙げられます。
◆過去の記事ではリンパ腫、血管肉腫について解説しています。
・「犬のリンパ腫について」の記事はこちらから
・「犬と猫の血管肉腫について」の記事はこちらから
抗がん剤治療の流れ
抗がん剤治療は通常、1回の投与のみで行うことはありません。
腫瘍の種類や薬剤の組み合わせによっても異なりますが、個別にスケジュールを組み、投与と休薬を繰り返して健康状態をチェックしていきます。
そのため入院が必要ないことも多く、投与するタイミングに来院していただき、その後はご自宅で様子をみることも可能です。
ただし、副作用を抑えるためにご自宅でお薬(吐き気止めなど)をあげる必要はあります。
治療中は、治療の効果があるかどうかを確かめるため、血液検査や画像検査などを定期的に行います。
抗がん剤治療メリットとデメリット
・メリット
動物の体を傷つけることなく、小さながんや体の奥深くにあるがんでも治療が可能です。
また、前述のように血液を介して全身に投与できるため転移などの抑制につながることもメリットです。
・デメリット
副作用が起こる可能性があります。
具体的には、吐き気や下痢、食欲の低下などが挙げられますが、しっかりと獣医師の元で投与量を調節することで最小限に抑えつつ、QOLを保つことができます。
他の治療法である手術や放射線治療でも副作用は起こる場合があります。
そのため、どの治療でもその治療に関して理解をし副作用と上手に付き合っていくことが大切です。
また、他の点では治療が長期にわたると、治療費が増額する可能性があります。
ただし、治療費は薬剤の種類によって様々なので、詳細は獣医師までお尋ねください。
まとめ
抗がん剤治療は、犬や猫に腫瘍が見つかった時の大切な選択肢の1つです。
完治に至らなくても、副作用をできるだけ少なくしつつ治療を行っていくことで、快適に暮らしていくことが可能になることがあります。
抗がん剤治療について詳しく知りたい方は当院までご相談ください。
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