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DAIGO PET CLINIC

ウサギの皮膚炎について

ウサギは草食動物で、消化管の病気が多いことは以前の記事でお伝えしました(前回の記事はこちらから)が、同じくらい多くみられるのが皮膚の病気(皮膚炎)です
ウサギは皮膚が弱いため、細菌やカビ(真菌)などの感染やストレスによって、皮膚にダメージを受けることが多いです
今回は、皮膚炎の原因ごとに症状や対処法をお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

ウサギの皮膚炎の種類

<潰瘍性足底皮膚炎>

・症状
潰瘍性足底皮膚炎はソアホックとも呼ばれ、ウサギでは一般的な足の皮膚の病気です。
後ろ足のかかとの皮膚に起こりやすく、初期には赤くなったり小さな潰瘍(皮膚が傷ついてえぐれてしまった状態)ができたりします
潰瘍が大きくなると出血したり、関節にまで炎症が及ぶこともあります。
痛みを感じて後ろ足をかばうように歩く、あるいは歩きたがらないようであれば、一度足の裏を見てみましょう。

・原因
発症には様々な要素が関係すると考えられていて、飼育環境の不備(硬い床、不衛生な床)、肥満、運動不足、加齢などが原因として挙げられます

・治療・予防法
抗菌薬や炎症を抑える薬の使用やシャンプーを行ったり、床材を衛生的で柔軟性のあるものに変え適度な運動や食事管理によってダイエットすることで、発症を予防していきます

<その他の皮膚炎>

潰瘍性足底皮膚炎以外にも、ウサギは様々な皮膚炎にかかります。

・細菌性皮膚炎、湿性皮膚炎
目の周りや肉垂によく発生し、皮膚が赤くなる、脱毛するといった症状がみられます。
飼育環境の不備が原因となる場合もありますが、別の病気(歯の異常など)が隠れていることも多いのが特徴的です。

・皮膚糸状菌症
健康であれば問題ありませんが、免疫が低下していると、鼻や耳などにカサカサとした皮膚炎がみられます
皮膚糸状菌というカビは、人にも感染する可能性があるため、注意が必要です

・ウサギ梅毒
ウサギ梅毒は、トレポネーマ症とも呼ばれウサギが罹患する細菌感染症です。
交尾によって感染する病気で、初期には陰部に赤みがみられ、次第に鼻や口にも症状が現れます。

・外部寄生虫症
ノミ、ツメダニ、マダニなど、ウサギの皮膚や被毛に寄生虫が寄生することで起こります。
寄生虫が皮膚に感染すると、種類にもよりますが、炎症、かゆみ、脱毛、皮膚感染症などを引き起こします。

・心因性脱毛
主に飼育環境の不備が原因となり、ウサギがストレスや不安を感じることで、自分の毛や皮膚を咬んだり舐めたりして脱毛を起こす病気です。解決するにはストレスの根本的な原因に対処する必要があります。

まとめ

ウサギの皮膚炎は様々な原因によって起こります。
ご家庭では、皮膚の様子(特にかかと)をよく観察して早期発見に努めていただくとともに、飼育環境の向上にも心がけましょう。床材の選択など、ご不明な点があればお気軽に獣医師までご相談ください。

■お知らせ
豊田市で動物病院をお探しの方はダイゴペットクリニックへお越しください。(岡崎市、日進市、名古屋市名東区にも分院があります。)

・エキゾチック特別診療のお知らせ
ダイゴペットクリニックでは普段のエキゾチックアニマル診療に加えて、定期的にエキゾチックアニマル専門医による特別診療を行っています。
普段飼っておられるウサギ、フェレット、ハムスター、ハリネズミ、小鳥、爬虫類(トカゲ・ヘビその他)、両生類(カエルその他)などのペットで、ご心配な点がありましたら是非診察にお越しください。

・狂犬病ワクチンのお知らせ
今年度の狂犬病ワクチンが始まりました!ご予約なしでも接種可能ですが、予防期間中は込み合うことが多くなりますので、お時間には余裕を持ってご来院ください。
また、フィラリア予防の血液検査も一緒に行うことをおすすめしております。

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※記事作成当時のエビデンスに基づくもので最新のものと異なる可能性があります。