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治療法は存在しないので予防が重要!|狂犬病のワクチン接種について

春はワクチン接種の季節としてよく知られています。
犬では、以前ご紹介した混合ワクチンのほかに、狂犬病のワクチンを接種する必要があります。

今回は、そもそも狂犬病とは何なのか、なぜ毎年接種しなければならないのかについて、詳しく解説します。
ご家庭の犬だけでなく、周囲の動物や人の健康を守るためにも、毎年1回の接種を忘れずに行いましょう。

狂犬病とは

狂犬病は、いったん感染し発症すると致死率はほぼ100%という恐ろしい病気です
病気の名前に「犬」という文字が含まれていますが、犬だけがかかるわけではなく、猫や人といったほぼすべての哺乳類で感染・発症します
このような病気は人獣共通感染症と呼ばれています。

狂犬病は感染動物に咬まれることで伝播し、1週間~1カ月ほどの潜伏期(症状がない期間)ののち、発熱や嘔吐・下痢などを経て、神経症状が現れます。
治療法は存在しないので、ワクチン接種での予防がとても重要です

なぜワクチン接種が必要なのか

まずお伝えしたいのは、日本では狂犬病予防法という法律によって、「毎年1回の狂犬病のワクチン接種が義務付けられている」ということです。
ワクチン接種を怠ってしまうと、20万円以下の罰金を請求される可能性があります。

日本では狂犬病予防法によって病気がコントロールされ、国内では1957年以降、狂犬病が発生した事例はほとんどありません。
しかし、人の例にはなりますが2020年には14年ぶりに国内で、フィリピンから来日した方の狂犬病の発症が確認されております。
日本のような国は世界的にとてもまれで、隣国の中国や東南アジア諸国などは多くの人が狂犬病によって亡くなっています。狂犬病の流行地域に旅行して感染する、あるいは輸入された動物が感染している可能性などもあり、いつ狂犬病が日本で発生してもおかしくありません。
動物や人の命を守り続けるためにも、毎年1回のワクチン接種を必ず行いましょう

また、狂犬病では集団での予防接種がとても重要です。
集団予防接種を行うことにより個人と地域社会全体を病気から守ることができます
地域社会の多くの人々が狂犬病ワクチンを接種すると、群衆免疫と呼ばれるものが生まれ、ワクチンを接種していない人がいたとしても地域内にウイルスの保菌者が少なくなり病気にかかる可能性を下げることができます。
狂犬病の集団予防接種は、個人と地域社会を亡くなってしまう可能性のある病気から守るための重要な公衆衛生対策です。

ワクチン接種の流れ

一般的には春(4~6月)にワクチン接種が行われます。
市町村が管轄する集団接種のほかに、動物病院で個別に接種することもできます。
どちらも接種が終わると、注射済票というものが配られるので、犬の首輪などにつけてなくさないようにしてください。

前回の混合ワクチンについての記事はこちらから

 

豊田市で動物病院をお探しの方はダイゴペットクリニックへお越しください。(岡崎市、日進市、名古屋市名東区にも分院があります。)

今年度の狂犬病ワクチンが始まりました!ご予約なしでも接種可能ですが、予防期間中は込み合うことが多くなりますので、お時間には余裕を持ってご来院ください。
また、フィラリア予防の血液検査も一緒に行うことをおすすめしております。

※記事作成当時のエビデンスに基づくもので最新のものと異なる可能性があります。