犬のチェリーアイについて|目頭がさくらんぼのように腫れる病気
まぶたのことを「眼瞼(がんけん)」と呼びますが、犬や猫では上下のまぶたの他にも眼瞼があります。これは瞬膜(第三眼瞼)と呼ばれ、正常であれば目頭の内側に隠れていて、注意深く観察しないとわかりません。
チェリーアイは、瞬膜の分泌腺(第三眼瞼腺)が外側に飛び出てしまう病気で、第三眼瞼腺脱出ともいいます。初期に痛みはみられませんが、治療せずにいると角膜炎や結膜炎、外傷を引き起こして、痛みを生じる可能性があるため、なるべく早めに動物病院を受診していただく必要があります。
今回は犬のチェリーアイについて、その症状や原因、検査・治療法を解説します。
目次
症状
チェリーアイは、第三眼瞼腺が外側に飛び出すことで、目頭がさくらんぼのように腫れることが特徴です。発生初期にはほとんど痛みを感じませんが、第三眼瞼腺が元の位置に戻らないことで不快感を覚え、引っかいたり擦りつけたりします。さらに長期化すると角膜炎や結膜炎に進展し、痛みを生じてしまうこともあります。
また、第三眼瞼腺は涙の30~60%ほどを生成しているといわれているため、外からの刺激によって涙が過剰に出てしまう状態が続きます。
原因
チェリーアイの原因ははっきりしていませんが、第三眼瞼腺を支える組織が弱いことや、生まれつきまぶたが広くて第三眼瞼腺が飛び出しやすいこと、などが考えられています。
また、4歳未満の若齢犬での発生が一般的で、ブルドッグやフレンチ・ブルドッグ、アメリカン・コッカー・スパニエルといった短頭種で多いため、遺伝が関与しているともいわれています。
診断・治療
チェリーアイは見た目が特徴的なため、視診だけでも簡単に診断できます。あわせて眼の表面を観察することで、角膜炎や結膜炎などがないかどうかも確認します。
治療にはいくつか選択肢があり、点眼薬で炎症を抑えたり、局所麻酔下で第三眼瞼腺を元の位置に戻したりする内科的治療が行われることもありますが、いずれも再発しやすい欠点があります。
根治を希望される場合は、
・Morgan結膜ポケット法
・アンカー法
・タッキング法
などの全身麻酔下の手術で第三眼瞼腺を正常な位置に固定する必要があります。なお、第三眼瞼腺を切除して治療する方法もありますが、涙の量が減少することでドライアイを誘発してしまうことがわかっているので、おすすめできません。
予防法
遺伝が発症に関わっているとされているため、有効な予防手段はありません。若い好発犬種を飼育されている場合は、眼の様子を普段から観察して、早期発見に努めることが大切です。
まとめ
チェリーアイは見た目が特徴的なため、飼い主様がご家庭で気づきやすい病気の1つです。命の危険はありませんが、長期にわたって第三眼瞼腺が脱出したままだと角膜炎や結膜炎に進行することもあるので、眼の異常をみつけたら早めに動物病院を受診しましょう。
■愛知県の豊田市、岡崎市、日進市、名古屋市名東区で動物病院をお探しの方はダイゴペットクリニックへお越しください!
・豊田中央医療センターの病院案内ページはこちら
・岡崎大和院の病院案内ページはこちら
・日進オハナ院の病院案内ページはこちら
・名古屋名東院の病院案内ページはこちら
■秋でもノミやマダニには気をつけましょう!
秋になると暑さも落ち着き、犬や猫を連れてお散歩やレジャーにお出かけする機会も増えるでしょう。その際はノミやマダニにご注意ください!一般的にノミやダニは夏に活動的なイメージがありますが、春から秋にかけて、あるいは冬でも被害があるため、ノミ・マダニ予防をしっかり行うようにしましょう!
ノミやマダニについてはこちらでも詳しく解説しています
※記事作成当時のエビデンスに基づくもので最新のものと異なる可能性があります。