犬のドライアイ（乾性角結膜炎）とは？｜原因・症状・治療法を徹底解説
ドライアイは「乾性角結膜炎」とも呼ばれる目の病気で、涙が少なくなり目の表面が乾燥することで、さまざまな目のトラブルが引き起こされます。
生まれつき涙が少ないケースもありますが、他の病気や外的要因によって後天的に発症することも少なくありません。
そのため、目の不調だけでなく、全身の検査を行い原因を突き止めることが大切です。
今回は犬のドライアイについて、その原因や危険性だけでなく、一般的な診断方法や治療法についてもご紹介します。
目次
犬のドライアイとは
正常な状態では涙が常に目の表面を覆い、乾燥を防ぎながら目を保護しています。しかし、ドライアイになると、涙の量が減ったり、涙の質が悪くなったりして、目の表面が乾燥しやすくなります。これにより、目のトラブルが発生しやすくなります。
特に犬では、このドライアイがよく見られるため、早めの対策が大切です。
ドライアイの原因や危険性
犬のドライアイの原因は、大きく「先天性」と「後天性」に分けられます。
＜先天性＞
まれに、生まれつき涙腺の機能や組織に異常があることで、ドライアイを発症するケースがあります。
また、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルやコッカースパニエルなどの犬種は、遺伝的にドライアイのリスクが高いと言われています。
＜後天性＞
後天的に発症する場合、さまざまな要因が関与しています。代表的なものとして、自己免疫性の問題や神経の異常、ホルモンの病気（糖尿病、副腎皮質機能亢進症など）、感染症（犬ジステンパーやリーシュマニア症など）、薬剤の影響、目の手術（瞬膜腺切除術など）などが挙げられます。
ドライアイになると、涙の不足により目の表面である角膜がダメージを受けやすくなります。初期には目の違和感や軽い不快感が見られる程度ですが、放置すると症状が悪化し、角膜潰瘍や角膜穿孔といった深刻な状態に進展する恐れがあります。
診断
ドライアイを正確に診断するためには、まず涙の量を測定する必要があります。その中でも特に重要なのが目に試験紙を当て、涙の量を測る「シルマー試験」と呼ばれる検査です。
さらに、目の状態を詳しく確認するために、角膜の状態をチェックするさまざまな眼科検査も行われます。これにより、ドライアイによる角膜のダメージや、他の目のトラブルがないかを確認します。
また、ドライアイは他の病気の影響で発症することもあるため、眼科検査だけでなく、血液検査や画像検査などの一般的な検査も併せて行うことがあります。これらの検査を通じて、ドライアイの原因をしっかりと見極めることが大切です。
治療
ドライアイの治療はその原因によって異なるため、まずは原因をしっかりと突き止めることが大切です。一般的な対策としては、目を保湿するための点眼薬や軟膏の使用が基本となります。
＜治療方法の例＞
・保湿を目的とした点眼薬や軟膏：涙の代わりに目の表面を保護し、乾燥を防ぐ効果があります。
・免疫抑制成分を含む点眼薬：ドライアイが自己免疫性の問題によって起こっている場合に使用されます。この薬は、免疫反応を抑えることで、目の炎症を軽減します。
・涙液の分泌を促す点眼薬：神経の問題が原因でドライアイが発症している場合には、涙の分泌を刺激する成分が含まれた点眼薬が用いられます。これにより、目の乾燥を改善することが期待できます。
予防法やご家庭での注意点
ドライアイは、さまざまな原因で引き起こされるため、予防が難しい病気です。しかし、早めに気づいて対処することで、角膜潰瘍や角膜穿孔といった深刻な目のトラブルを防ぐことができます。
愛犬が目を擦ったり、目が赤くなったりしていたら、ドライアイのサインかもしれません。こうした症状が見られた場合は早めに動物病院を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
まとめ
ドライアイは、涙が不足することで目に問題を引き起こす病気で、犬では比較的よく見られます。涙の量が足りているかどうかは、ご家庭で判断するのが難しいため、愛犬が目を気にする様子や、違和感がある様子を見せている場合は、早めに動物病院で診てもらうことが大切です。
特に、遺伝的にドライアイが起こりやすい犬種や、持病がある犬の場合は、普段から目の状態をよく観察してあげましょう。
早めの受診が、愛犬の目の健康を守る鍵になりますので、ちょっとした変化も見逃さずに気をつけてあげてください。
■関連する病気はこちらで解説しています
・犬と猫の角膜潰瘍について｜目のトラブル、放置は禁物！
・犬の目が赤くなったら｜原因や対処法について
・知っていますか？糖尿病の合併症｜犬と猫の糖尿病について
■愛知県の豊田市、岡崎市、日進市、名古屋市名東区で動物病院をお探しの方はダイゴペットクリニックへお越しください！
・豊田中央医療センターの病院案内ページはこちら
・岡崎大和院の病院案内ページはこちら
・日進オハナ院の病院案内ページはこちら
・名古屋名東院の病院案内ページはこちら
※記事作成当時のエビデンスに基づくもので最新のものと異なる可能性があります。