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犬の目が赤くなったら|原因や対処法について

犬の目に異常があると、赤くなったように見えるときがあります。
軽い炎症を起こしているだけの場合もありますが、炎症が全体的に広がっていたり、中で出血していたり、あるいは腫瘍などが原因になっているケースもあるため、しっかりと検査をして、どこに問題があるのかを突き止めることが重要です。

今回は犬の目が赤くなったときに考えられる原因や、その対処法についてお伝えします。

原因と考えられる病気

犬の目が赤くなる症状は、発生する場所によって考えられる病気が異なります

目そのものは問題がなく、まぶただけ赤くなっている
眼瞼炎や眼瞼の傷、あるいは眼瞼の腫瘍の可能性があります。眼瞼とは眼球をおおう、いわゆる「まぶた」です。

目そのものは問題がなく、目頭のあたりに赤いものが飛び出している
第三眼瞼腺脱出(チェリーアイともいいます)、腫瘍などの可能性があります。
チェリーアイについてはこちらの記事で解説しています

目の周辺部からまぶたの内側全体的に赤くなっている、あるいは腫れぼったくなっている
角膜炎や結膜炎が起こっている可能性があります。角膜は眼球の一番外側にある層状の構造物、結膜はまぶたの内側で角膜と接している部分と白目の上にある部分をいいます。
犬ではよく遭遇する病気で、細菌やウイルスなどの感染、またはアレルギーによって発症します。

黒目の表面が赤くなっている
角膜に傷(角膜潰瘍)があると、傷を治すために角膜へと血管が集まり、線状に赤く見えます。角膜潰瘍は、逆さまつ毛やケンカによるケガで起こります

目の中が赤くなっている
ぶどう膜炎や目の中に出血が起こっている可能性があります。ぶどう膜とは、虹彩、毛様体、脈絡膜という3つの構造物の総称で、目の内側に存在します。

 

症状

原因となる病気によって多少の違いがありますが、目を気にして擦る、頻繁に瞬きをする、涙がいつもより多く出るなどの症状が見られます。
これらの症状は、さまざまな眼疾患が原因で発生することがあります。

目を擦る、しょぼしょぼさせる
これらの行動は、目に不快感や痛みがあることを示しており、角膜潰瘍や結膜炎、異物の侵入などが原因である可能性が高いです。

異常な涙や目やにの増加
涙や目やにの過剰な分泌は、目の刺激や感染症、アレルギー反応、涙道の障害などによって引き起こされることがあります。
目やにについてはこちらの記事で解説しています

涙やけ
涙やけは、涙が過剰に分泌された際に、特に白または薄い毛色の犬や猫の顔の毛が、涙液に含まれる色素によって変色する状態を指します。涙やけ自体は病気ではありませんが、その原因となる過剰な涙流出は、目の病気や健康問題の可能性を示唆しています。
涙やけについてはこちらの記事で解説しています

 

診断

同じ「目が赤い」という状態でも、原因となる病気によって治療方針が異なるので、慎重に検査を進めることが肝心です。眼科検査項目は様々なものがありますが、代表的なものを紹介します。

スリットランプ(細隙顕微鏡)検査:スリット状の光が出る機械を使って、角膜、前房、水晶体の状態を観察します。
フルオレセイン染色検査角膜に傷があるか確認します
眼圧測定緑内障(眼圧上昇)やぶどう膜炎(眼圧低下)などの診断に用いられます。
眼底検査網膜や視神経の状態を確認します
眼エコー検査:眼の中の状態を断面像で確認します。

眼科検査については詳しくこちらで解説しています

 

治療

原因となる病気やその重症度によって治療方針は変わってきますが、一般的には点眼薬による内科療法と手術の2つに分けられます。
治療中は目を引っ掻いて悪化してしまうことを防ぐために、エリザベスカラーで目を保護します。

 

予防法やご家庭での注意点

チェリーアイは遺伝が、腫瘍は加齢や遺伝が関係していることが多いので、予防は困難です。角膜炎・結膜炎は、アレルギー(特にアトピー性皮膚炎)とあわせて起こるケースが多いので、目に異常はなくても皮膚をかゆがっている様子が見られたらアレルギーの治療について相談するとよいでしょう。

 

まとめ

目が赤くなる病気はいくつかあり、点眼で対処できるものもありますが、場合によっては手術をしなければ治らないこともあります。これらを見た目で判断することは難しいので、正しく診断して適切な治療を施すためにも、早めに動物病院を受診することをお勧めします。

 

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※記事作成当時のエビデンスに基づくもので最新のものと異なる可能性があります。