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犬の茶色い尿の原因とは?|泌尿器や肝臓トラブルを予防する方法

愛犬の尿の色が普段と違うと、「何かの病気では?」と不安になりますよね。特に、茶色い尿は日常ではあまり見られないため、驚かれるかもしれません。尿の色の変化は、泌尿器の病気に限らず、さまざまな原因で起こることがあります。

大切なのは、尿の色が変わった原因をしっかり見極め、その原因に合わせた適切な対処をすることです。

今回は、犬の尿が茶色くなる主な原因や、対処法について解説します。

尿の色について

健康な尿は、透明で薄く黄色がかった色をしています。しかし、尿の色は病気や体調の異常によって変化することがあります。
たとえば、次のような変化が見られることがあります。

赤色:泌尿器の病気で尿に血液が混じった可能性
濃い黄色や薄い黄色脱水や水分摂取量の変化
茶色血液の病気や肝臓、筋肉に関連する病気の可能性

尿の色の変化は、原因を推測するための手がかりになることがあるため、普段から愛犬や愛猫の尿の様子を観察しておくことが大切です。
少しでも色や量に異変を感じた場合は、早めに動物病院に相談するようにしましょう。

 

茶色い尿の主な原因

茶色い尿は「褐色尿(かっしょくにょう)」とも呼ばれ、以下のような原因で現れることがあります。

・血色素の影響
赤血球の色素であるヘモグロビンが尿中にたくさん含まれている状態です。中毒、免疫疾患、フィラリア症など、何らかの原因で赤血球が壊されている可能性があります。

・胆汁色素の影響
胆汁色素であるビリルビンや、その代謝物であるウロビリノーゲンが尿中に多く含まれる場合です。これらは肝臓や胆嚢の異常が原因で現れることが多く、肝臓病や胆嚢の病気が疑われます。

・筋肉の損傷
筋肉が壊れると、筋肉の色素であるミオグロビンが尿中に含まれます。筋肉が壊されている可能性があり、急に激しい運動をしたり、熱中症にかかったりしたときに現れます。

熱中症についてはこちらから

・その他の原因
水分が不足していると、尿が濃くなって茶色く見えることもあります。

適切な水分摂取量についてはこちらから

 

症状の緊急度について

愛犬の尿が茶色くなった場合、状況に応じて緊急性を判断することが重要です。

<すぐに受診が必要な症状>
以下のような症状が見られる場合は、速やかに動物病院を受診してください。

茶色い尿が長期間続いている
中毒を引き起こす可能性のあるものを食べた
尿以外の異常がある(元気・食欲の低下、ぐったりして動かないなど)

 

<様子を見てもよい症状>
以下のような場合は、少し経過を観察しても構いません。

・運動後だけ尿が茶色くなる
・元気はあるが水分摂取が少ない

ただし、これらの症状が数日続いたり悪化したりする場合は、早めに動物病院で診察を受けましょう。

 

観察のポイント

尿の変化にいち早く気付くためには、日頃から以下のポイントを注意深く観察することが大切です。

・尿の色の濃さ
外で排尿した場合は色がわかりにくいこともあるため、ペットシーツにした尿を確認するのがおすすめです。

・排尿回数の変化
成犬では、健康な場合1日に5~6回程度が一般的です。

・排尿時の様子
排尿時に痛がる様子や、しきりに尿を出そうとしている仕草がないかを確認しましょう。

・その他の体調変化
尿の変化とともに、元気や食欲、体重の変化にも注目してみましょう。

 

予防と日常のケア

尿の異変を防ぐためには、以下のような日頃のケアも欠かせません。

・適切な水分摂取
冬は特に水分不足になりやすい季節です。愛犬がなかなか水を飲まない場合は、ドライフードをふやかしたり、ウエットフードに変えてみたりしてみましょう。
また、少しぬるめの水や、愛犬が好む素材や形状の器を用意することで、興味を引ける場合があります。

・運動量の調整
過剰な運動は筋肉に負担をかけ、尿の異常を引き起こす可能性があります。愛犬の体調や年齢に合った適度な運動を心がけましょう。

・食事の管理
健康な体を維持するためには、適切な食事管理が欠かせません。総合栄養食を指示された量だけ与えましょう。
また、手作り食の場合は栄養バランスが偏る可能性があるため、必要な栄養素がしっかりと含まれているかを獣医師に確認しましょう。

フードの選び方はこちらから

 

定期検査の重要性

こうした日頃のケアに加えて、定期健診で愛犬の健康状態を確認することも重要です。尿の色はさまざまな原因によって変化するため、次のような検査を組み合わせて行うと安心です。

尿検査:泌尿器の状態や水分摂取の影響をチェックします。
血液検査:肝臓や腎臓など、体の内側の健康状態を把握します。
画像検査:腎臓や膀胱の形や異常を詳しく調べます。

定期健診を活用することで、異変を早期に発見し、適切な治療につなげることができます。愛犬の健康を守るために、年に1〜2回の健診を目安に受診するのがおすすめです。

 

まとめ

尿が茶色くなっている場合、単に水分不足や濃縮が原因のこともありますが、背景に病気が隠れている可能性もあります。尿は愛犬の健康状態を知る大切なサインです。

普段から尿の色や量、においなどを観察し、「いつもと違う」と感じたときには、迷わず動物病院で診察を受けましょう。早期発見と適切な対応が、愛犬の健康を守る鍵となります。

当院の健康診断には尿検査も含まれていますので、ご不安があればお気軽にご相談ください。

 

■泌尿器の病気はこちらで解説しています
特にオスでは危険な状態になることも|犬の膀胱結石について

 

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※記事作成当時のエビデンスに基づくもので最新のものと異なる可能性があります。