CLINICAL DEPARTMENT

診療科別

DAIGO PET CLINIC

犬の肛門腺絞りについて|おしりを擦り付けていたら1つの目安

愛犬のお手入れの1つに、肛門腺絞りが挙げられます。すべての犬に対して必ずしなければいけないものではないですが、犬によっては分泌物が上手く排出されず、分泌物がたまってしまうと炎症を引き起こすこともあり、場合によってはお手入れをしてあげる必要があります。

今回は、肛門腺絞りの詳しい役割や、ご自宅で飼い主さんに肛門腺絞りをしていただく際の方法について解説します。愛犬がおしりを気にしている場合は、定期的に実施してあげるとよいでしょう。

肛門腺の役割

肛門腺は犬の肛門の左右に1つずつ存在する分泌腺です。肛門腺からは強いにおいの分泌物が排出され、肛門囊(こうもんのう)にためられます。

この分泌物は個体によってにおいが異なるため、犬や猫はおしりのにおい(肛門腺から排出される分泌物のにおい)を嗅いでお互いを認識しあっています。また、縄張りをマーキングする役割もあります。

肛門腺絞りをした方がいいケース

肛門腺からの分泌物は、通常であれば排便時や興奮した時に自然に排出されます
しかし、分泌物の排出のされやすさには個体差があり、上手く排出されずにたまってまう個体もいます
そして、その状態が続いてしまうと犬はおしりに不快感を覚え、おしりを壁や床などに擦る、肛門まわりを舐めたり噛んだりする、などの行動がみられます。
また、さらに悪化すると肛門囊炎という病気にまで至ってしまう可能性があります。

分泌物を上手く排出できずにためてしまい、おしりを気にしている子の場合は定期的に肛門腺絞りをしてあげるとよいでしょう

肛門囊炎について

肛門囊炎は、犬の肛門周囲にある肛門腺が炎症を起こす病気です。
前述の通り肛門腺は、通常であれば排便時や興奮した時に自然に排出されますが、それが何らかの原因で上手く排出されずに詰まることで炎症が起き、化膿したりします。
犬にとって不快な症状を引き起こすため、早期の発見と適切な対処が大切です

肛門囊炎は特に小型犬やオスの犬に多くみられることが知られています小型犬は肛門腺が詰まりやすい体の構造になっているため発症しやすいといえます。また、オスの犬は肛門腺の位置がメスの犬よりも高いため、発症しやすくなるとも考えられています。他にも、運動不足や肥満などが原因で便秘になることも肛門囊炎のリスクを高める要因となります。

症状は以下のようなものがみられます。
・肛門周囲の腫れや赤み
・尻尾を下げる、腰を落とす行動
・肛門周囲をかじったり、舐めたりする行動の増加
・強いにおいがする
・肛門周囲から膿のような分泌物がでる

肛門囊炎を放置した場合にはさらに悪化していき、炎症が慢性化したり、膿が蓄積されたりすると、激しい痛みや不快感を引き起こすことがあります。また、感染が進行すると全身に広がり、犬の体調全体が悪化することも考えられます。早めの対処をしないと、治療が難しくなる場合があるため、獣医師に相談し適切な治療を受けることが重要です。

肛門腺絞りのやり方や頻度について

肛門腺は、肛門からみて4時方向と8時方向にあります。
ご自宅でされる場合は、肛門腺が位置する場所を指で軽く押し、そのまま肛門に向かって徐々に押し出すようなイメージで絞りますその際、あまり強く押しすぎると犬は痛みを感じてしまうため注意が必要です
また分泌物はにおいが強いため、すぐにシャワーなどで洗い流しシャンプーもできるようにお風呂場での実施がお勧めです

肛門腺絞りを行う頻度は個体によっても異なりますが、おおよそ1カ月に1回を目安に行いましょう

まとめ

愛犬がおしりを気にして擦ったり、肛門まわりを舐めたり噛んだりしているようであれば、ご自宅で肛門腺絞りをしてあげた方がよいでしょう。もちろん動物病院でも実施可能ですので、ご自宅ではなかなかできない場合は、トリミングや動物病院へお気軽にご相談ください。

■愛知県の豊田市、岡崎市、日進市、名古屋市名東区で動物病院をお探しの方はダイゴペットクリニックへお越しください!
豊田中央医療センターの病院案内ページはこちら
岡崎大和院の病院案内ページはこちら
日進オハナ院の病院案内ページはこちら
名古屋名東院の病院案内ページはこちら

■当院ではトリミングの際に、肛門腺絞りを行うことが可能です。気になる方はお気軽にご連絡ください。

各トリミングサロンについての情報はこちらから
リアン 豊田松ヶ枝
きらり 岡崎大和
リアン 日進梅森台
トリミングサロン名古屋名東

■8月の健康診断キャンペーンのお知らせ
8月限定で健康診断キャンペーンを行います。現在、予約受付中ですので、ご希望の方は各院にお問い合わせください。この機会に、大切なご家族へのプレゼントとしていかがでしょうか!
健康診断の記事はこちらから

 

※記事作成当時のエビデンスに基づくもので最新のものと異なる可能性があります。