犬と猫の肥満について|食事やサプリメントなどの対策法を解説
犬や猫がぽっちゃりとして丸い姿は、見ていてとても癒やされますが、あまりに太りすぎた状態は健康に悪影響を及ぼしてしまいます。
今回は、実際に肥満になってしまったときのトラブルや、原因、対策(特に食事やサプリメント)について、解説します。
肥満は病気の1つと考え、食事内容を改めたり、サプリメントの使用を検討したりするためのきっかけになれば幸いです。
目次
肥満になったときのトラブル
私たち人間が肥満になると高血圧や糖尿病などの病気にかかりやすくなるのと同じように、犬や猫でも肥満体型になってしまうことで、様々な病気が起こるリスクが高まったり、今かかっている病気が悪化したりすることがわかっています。
詳細は体重管理の記事で解説していますので、そちらもあわせてご覧ください。
病気の予防に重要|犬と猫の体重管理について
肥満になる原因
肥満の原因は主に、食事のカロリー過多、運動不足、病気の3つが考えられます。
・食事のカロリー過多
犬や猫は年齢や品種に応じて、必要な栄養素が異なっています。
そのため、犬や猫が欲しがるからといってフードを多く与えてしまったり、1日に何度も高カロリーのおやつを与えてしまったり、栄養価が高い成長期用のフードをずっと与えていたりすると、肥満になりやすくなります。
特に避妊・去勢手術後は太りやすくなるため、若くても注意が必要です。
■避妊・去勢についてはこちらで解説しています
・犬・猫の「去勢手術」について
・犬・猫の「避妊手術」について
・運動不足
毎日十分に運動していればカロリーが消費され、肥満になりにくいはずですが、犬ではお散歩時間が短かったり、猫では室内に運動を促すおもちゃが少なかったりすると、肥満になりやすくなります。
・病気
甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症といった一部の病気では、食事や運動量に問題がなくても太ってしまうことがあります。
肥満対策
以前の記事では、普段の食事や運動・環境整備による対策を解説しました。今回はその中でも食事について、深掘りしていきたいと思います。
・療法食
減量や糖のコントロールを目的とした療法食がいくつかのメーカーから販売されています。
これらは脂肪や炭水化物を減らし、タンパク質や食物繊維を多く含むことで、同じ量を食べてもカロリーが低く抑えられると同時に、満腹感が続くように設計されています。
当院では、ダイエットの療法食として以下をおすすめしています。
・ロイヤルカナン 満腹感サポート
・ヒルズ メタボリックス
・サプリメント
犬、猫ともに、様々なメーカーが肥満に配慮したサプリメントをつくっています。
基本的には糖の吸収を抑えたり満腹感を与えたりするもので、フードにふりかけるタイプやタブレット状のものなど、その形も多種多様です。
中でも、近年注目されているサプリメントに「エネアラ」というものがあります。これは5-ALAというアミノ酸を含む製品で、もともとは腎臓のケアを目的としていますが、5-ALAは代謝活性に関わるため、脂肪を燃焼させ肥満を改善する役割も期待されています。
・市販のダイエットフード
療法食以外でも、多くのメーカーからダイエットフードが販売されています。上述のものと同様に、低脂肪・低炭水化物で高タンパク質のものが多く、品種やライフステージにあわせて選ぶとよいでしょう。
フードの選び方についてはこちらの記事で紹介しています。
犬と猫のフードの選び方について|品種や年齢、病気の有無によって選ぶのが大事!
まとめ
「肥満は万病のもと」とも言われるように、健康を維持していくには肥満にならないことが一番です。
一度太ってしまうと痩せるのは簡単ではないため、まずは太らせないことを意識しましょう。
予期せず太ってしまった場合には、ご自身だけで判断せず、動物病院を受診して獣医師に相談しましょう。
当院では、その子にあわせた適性体重や減量方法などをご提案させていただきますので、ぜひご利用をご検討ください。
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