2023.07.27

犬の涙やけについて│病気が隠れていることも

ふと愛犬の様子を見たときに、目の下が茶色になっていたら注意が必要です。
それはいわゆる「涙やけ」といわれる状態で、何らかの原因で涙が出続けてしまうことによって起こります。
背景に病気が隠れていることもあるので、日々のケアを行いつつ早めに病院を受診するがお勧めです。
今回は犬の涙やけについて、その原因やご家庭での対処法などを解説します。

涙やけとは

涙やけとは、犬の目の下に涙が常時流れることで毛が茶色く変色した状態のことです。
様々な原因によって起こり、悪化すると皮膚炎などを引き起こしてしまう可能性もあります。

自宅で日々のケアを行うことで予防や対処をしていき、もし改善が見られない場合は動物病院でしっかりと検査をし、原因を特定して治療することが重要です。

原因

犬は涙腺や瞬膜腺から涙を分泌し、眼の表面を潤しています。
涙やけの原因としては、下記が挙げられます。

・涙液排出経路の異常（鼻涙管閉塞）
・涙液産生量の増加（逆さ睫毛、感染など）
・眼表面への涙液保持の 低下（涙丘の毛の眼表面への接触，マイボーム腺機能不全など）など

これらの原因の中で最も多いのは鼻涙管閉塞です。
通常であれば余分な涙は鼻涙管（涙を鼻へと流すための管）に移動し、ほとんど目から流れ出ることはありません。
しかし、鼻涙管が詰まると涙は目の下にこぼれてしまい、涙やけを起こしてしまいます。
トイ・プードルや短頭種（パグ、シーズー、マルチーズなど）は特に涙やけを起こしやすいといわれているため、注意が必要です。

また鼻涙管に異常がなくても、毛や砂が目に入ってしまったり、角膜炎・結膜炎や眼瞼内反症（いわゆる逆さまつ毛）を起こしたりすると、涙焼けが見られます。
その他に、アレルギーやストレスなどによっても起こると考えられます。

症状

軽症であれば目の下が茶色く変色する以外、特に症状はみられません。
しかし病気が進行すると、痒みが生じて炎症や感染を引き起こし、皮膚炎にまで至ってしまうこともあります。

予防法・対処法

涙やけになりやすい犬種では、温めた蒸しタオルなどで毎日目の周りを優しく拭き、その後は乾いたタオルで水分を拭きとって、清潔に保つことが重要です。
ウエットティッシュでも代用できますが、刺激の少ないもの（ノンアルコールなど）がよいでしょう。

また毛が目に入ってしまうことを防ぐため、定期的にペットサロンでトリミングしていただくと安心です。
また、年齢にあった食事、適切なお散歩、清潔な環境なども充実させてあげましょう。

まとめ

涙やけ自体は命の危険に関わるものではありませんが、悪化すると皮膚炎などを引き起こしてしまう可能性もあります。愛犬の生活の質を保つためにも、今回ご紹介した日々のケアを実践してみてください。
もし涙やけがみられ、症状が改善されない場合などはお気軽に当院までご相談ください。

目やにについて気になった方はこちらの記事で解説しています。
犬と猫の目やにについて│思わぬ病気が隠れていることも

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