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犬と猫の糞便検査について|うんちを調べて病気がわかる

犬や猫の体調を調べる検査の1つに、糞便検査が挙げられます。お腹の調子が悪くなると、糞便の硬さや色に健康状態が反映されることがよくあります。それだけでなく、顕微鏡で観察すると糞便中に潜む寄生虫を見つけ出すこともできます。

今回は犬と猫で行われる糞便検査について、その目的や方法とともに、具体的な検査項目についても解説します。

糞便検査とは?

糞便検査は、愛犬や愛猫の健康状態をチェックするための大切な検査です。具体的には、糞便の硬さや色の変化を確認し、糞便中に存在する寄生虫やその卵、幼虫を調べることができます。さらに、細菌やウイルスの検出にも利用されます。

 

糞便検査の目的

糞便検査は、主に消化器系の病気を診断するために実施されます。特に、消化管内の寄生虫がいるかどうかを確かめるために非常に有効です。とても基本的な検査ですが、健康診断の際にも必ず実施される重要な検査です。
糞便検査をしないと、下痢の原因がわからず適切な治療ができないことがあります。

 

採取方法

糞便はご自宅でも簡単に採取できます。ただし、土や草の上に排便してしまうとゴミなどが混ざってしまう可能性が高く、検査結果に影響する場合もあります。そのため、お外で採取する場合は地面に当たらないよう、直接ビニール袋に入れていただくとよいでしょう。
ペットシーツの上で排泄したものをラップで包んで持参されても大丈夫です。なお、指の関節1つ分ほどの量で十分に検査が可能です。

ご自宅での採取が難しい場合は、動物病院で実施することもできます。動物病院では採便棒という器具を使ってお尻の穴から少量の糞便を採取します。

 

検査項目

糞便検査の具体的な検査項目は以下のとおりです。

 

性状検査
硬さや色、においなどを評価します。その他、糞便に血や粘液、異物などが混じっていないかも確認します。

 

顕微鏡による検査
寄生虫の感染の有無、腸内細菌叢のバランス、未消化物等を調べます。その方法として「直接法」と「浮遊法」があり、それぞれの特性を利用した検査を行います。

直接法:糞便を少しだけ採り、顕微鏡で観察します。腸内細菌のほか、ジアルジアやコクシジウムなどの原虫も確認できます。またデンプンや脂肪滴などの未消化物も確認することが可能です。

浮遊法:糞便を飽和食塩水で分散させ、上に浮いてきたものを顕微鏡で観察します。回虫や条虫、鞭虫などの虫卵が確認できます。

遺伝子検査
糞便に含まれるDNAを抽出し、サルモネラやジアルジアなどの微生物がいるかを調べます。

 

抗原検査
犬パルボウイルスやジアルジアの感染を診断キットによって確認します。

 

注意事項

糞便はなるべく排泄から時間が経っていないものが理想です。

もし下痢で糞便の採取が難しい場合は、お写真を撮っていただくだけでも大丈夫です。その際、どのくらいの頻度で排便しているか、いつから下痢が始まったのか、何か異物などを食べた形跡がないかなどを飼い主様にお聞きし、判断の材料にさせていただきます。

 

まとめ

糞便検査は、消化器の病気を診断するうえでとても重要な検査です。見た目だけではわからなくても、顕微鏡で観察することで、さまざまな情報が得られます。糞便検査を行わないと、お腹の調子が悪い原因がわからないことがありますので、下痢などでお困りの際はぜひ積極的にご利用ください。

 

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