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特にオスでは危険な状態になることも|犬の膀胱結石について

膀胱結石とは、何らかの原因で膀胱に石(結石)がたまってしまう病気を指し、犬・猫両方にみられます。特にオスの犬では、石が膀胱から尿道に移動して尿道が詰まってしまうことが多く、とても危険な状態になります。
一方で、食生活の改善などで発症を予防できる病気でもあります。今回は、犬の膀胱結石について詳しくお伝えします。

原因

膀胱結石は、膀胱内で作成されますが、まれに腎臓で作成された石が下りてくることもあります。
また石にも様々な種類があり、犬ではストルバイトとシュウ酸カルシウムという2つの成分が大多数を占めます。

カナダのある研究では、16,647頭の犬の膀胱結石のうち、43.8%がストルバイト結石、41.5%がシュウ酸カルシウム結石であったと報告されています。
ストルバイト結石はブドウ球菌などの細菌に感染することでつくられます。
また、犬の尿は正常であればやや酸性寄りでpH6.2~6.4前後となっていますが、pHが6.5よりもアルカリに傾いていくとストルバイト結石が作られやすくなっていきます。
一方でシュウ酸カルシウム結石は、カルシウムやビタミンD、またはビタミンCを過剰に含む食事を摂取することでつくられます。
シュウ酸カルシウム結石はpHがより酸性に傾いていった場合に作られやすくなります。

症状

症状は尿に関するものが多く、石が膀胱の粘膜を刺激することで、頻尿や血尿(尿に血が混じる状態)、排尿痛(尿をするときに痛がる)などがみられます。

にオスでは陰茎の構造に特徴があるため、メスよりも膀胱の石が尿道に移動して詰まることが多いといわれています(尿道閉塞)
この状態は非常に危険で、急性腎障害や尿毒症といった緊急性が高い病気につながるため、注意が必要です

診断・治療

動物病院では、血液検査や超音波検査、レントゲン、尿検査などを組み合わせて膀胱結石を診断します
ただし、石の中にはレントゲンに写らない種類(尿酸アンモニウム結石など)もあるため、造影検査を実施することもあります。
尿道閉塞などの緊急性が高い状態でなければ、まずは内科療法(利尿薬や抗菌薬の投与、食事療法など)を試します。
内科療法がうまくいかなかったり、尿道が詰まっている場合は、手術によって石を摘出します。

予防法

膀胱結石を予防するには、まずは新鮮な水を常時飲める状態にして、十分に水を与えることが重要です
また、ストルバイト結石は尿がアルカリ性になるとできやすいため、尿を酸性に傾ける食事(療法食)が有効です。シュウ酸カルシウム結石の発生を予防するには、カルシウムやシュウ酸を過剰に含む食事を与えないようにしましょう。
特にミニチュア・シュナウザーは他の品種に比べて、シュウ酸カルシウム結石ができやすいことが知られています。

日常での注意事項

ご家庭の犬が、尿をするときに痛がっていたり、何度もトイレに行ったり、尿に血が混じっていたりする場合には、すぐに動物病院を受診してください。
お散歩やご家庭での様子をよく観察し、もし発症した際は、なるべく早く治療を開始できるようにしましょう。

 

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※記事作成当時のエビデンスに基づくもので最新のものと異なる可能性があります。