犬と猫の血管肉腫について|犬で診断されることが多い腫瘍の1つ
犬や猫には様々な腫瘍が発生しますが、今回はその中でも血管肉腫について解説します。
この腫瘍は、血管を構成する内皮細胞が腫瘍化して増殖したもので、悪性腫瘍(がん)に分類されます。
血管はありとあらゆる臓器・器官に存在するため、血管肉腫も様々な場所に発生します。
特に脾臓や心臓、皮下などによくみられるといわれています。
また、猫よりも犬で診断されることが多く、頻発する犬種も知られています。
今回は犬と猫の血管肉腫の症状や原因、診療などについて詳しく解説します。
目次
症状・原因
症状は、腫瘍ができた場所によって異なります。
脾臓の血管肉腫
・貧血によってふらつき
・腹水がたまっておなかが張る
などの症状があります。
心臓の血管肉腫
・頻脈や呼吸困難といった循環器に関係する症状がみられる
・動きたがらなくなる
などの症状があります。
体表の血管肉腫
内臓ほど悪性度が高くないことが多く、これといった症状を示さず、手足などにやわらかいドーム状のできものがみつかります。
しかし、悪性度が高い場合は他の場所へ転移をしたり、他の部位の血管肉腫と同じような症状を示すことがあるので注意が必要です。
血管肉腫の原因ははっきりとはわかっていませんが、高齢(10歳程度)の動物に多く発生します。
犬ではゴールデン・レトリーバーやラブラドール・レトリーバー、ボクサーなどの犬種によくみられるため、遺伝的な要素も考えられています。
診断・治療
動物病院では、身体検査などの基本的な検査とともに、エコー検査やレントゲンを実施して、どこに腫瘍ができたのかを特定します。
また同時に、転移の有無も確認します。
治療は、手術によって腫瘍を取り除くことが一般的ですが、たとえ手術が成功してもその後の余命は短いことが知られています
さらに、すでに他の臓器やリンパ節に転移していたり、身体の奥深くにあって手術が困難だったりする場合も多々あります。
これらの理由から、現実的には犬や猫の生活の質(QOL)をあげるために、痛みを和らげる治療(緩和ケア)が優先されることが多いです。
ただし、皮下にできたものは比較的悪性度が低いことが多く、手術が有効な場合もあります。
まとめ
血管肉腫は、身体の様々な部位に発生する悪性腫瘍(がん)です。
内臓にできた腫瘍に対して、残念ながら有効な治療法はありませんが、皮下にできた腫瘍であれば、動物の身体に触るとやわらかいしこりがみつかります。
内臓にできた腫瘍の場合は、場所によって多種多様な症状がみられます。
ご家庭での様子にご不安を感じることがございましたら、お気軽にご相談ください。
■愛知県の豊田市、岡崎市、日進市、名古屋市名東区で動物病院をお探しの方はダイゴペットクリニックへお越しください!
・豊田中央医療センターの病院案内ページはこちら
・岡崎大和院の病院案内ページはこちら
・日進オハナ院の病院案内ページはこちら
・名古屋名東院の病院案内ページはこちら
■当院では腫瘍の動物に対して幅広い検査や治療をご提供しております。
腫瘍について詳しく解説しているページはこちら
今年度の狂犬病ワクチンが始まりました!ご予約なしでも接種可能ですが、予防期間中は込み合うことが多くなりますので、お時間には余裕を持ってご来院ください。
また、フィラリア予防の血液検査も一緒に行うことをおすすめしております。
狂犬病の記事はこちらから
※記事作成当時のエビデンスに基づくもので最新のものと異なる可能性があります。