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犬の肝臓腫瘍について│検診で早期発見

最近では健康診断を受けるわんちゃんが増え、それに伴い犬の肝臓腫瘍を診断するケースも増えてきました。
腫瘍は良性の場合もありますが、高齢の場合だと手術が難しかったり良性と悪性の区別がつきにくかったりするため注意が必要です。
今回は犬の肝臓腫瘍について、症状や治療法などをまとめました。

症状

肝臓は沈黙の臓器とも呼ばれるほど、異常があってもなかなか症状が現れないことが多いです。
腫瘍の大きさにもよりますが、ある程度大きくなると、食欲低下、黄疸、腹水の貯留といった症状がみられます
このような症状が出ていると、すでに腫瘍が大きくなって取り切れなかったり、他の臓器に転移してしまっていたりすることが多いので、定期的に健康診断を受けていただき、早期発見・早期治療に努めることがとても大切です。

原因

肝臓腫瘍の発生原因はよくわかっていませんが、高齢犬に多いことが知られています。

またその種類は、肝細胞腺腫という良性のものから、肝細胞癌という悪性のもの、あるいはその他の悪性腫瘍が転移したものまで、様々です。

肝細胞腺腫や肝細胞癌はゆっくりと大きくなりますが、転移した悪性腫瘍は進行が早く、気づいたときには手遅れになっていることもあります

診断

症状ではなかなか判断しづらいので、レントゲン検査やエコー検査といった画像診断が役立ちます。
肝臓腫瘍がどのくらいの大きさなのか、どこに発生しているのか、他に腫瘍はないか、肝臓以外に異常はないかなど、細かく調べることができます。
また、細胞診検査(肝臓に針を刺して細胞を一部抜き取る検査)で細胞の形を観察し、どんな腫瘍なのかを確かめる場合もあります。

ただし、このような検査でも良性と悪性の区別はつきにくく、実際に手術をして組織を観察するまでわからないことも多々あります。

レントゲンやエコー検査についてはこちらから

治療

検査で肝臓腫瘍が疑われた場合、基本的には手術によって摘出します。ただし、肝臓は血管が豊富な臓器なので、他の手術と比べてリスクが高くなります。

また高齢犬の場合は、肝臓以外にも心臓や腎臓などに病気を抱えていることが多いので、検査時にしっかりと確認する必要があります
リスクが高いと判断された場合には、放射線治療が実施されることもあります。

放射線治療についてはこちらから

予防

原因が判明されていないため、これといった予防法はありません。肝臓腫瘍だけでなくその他の病気を未然に防ぐためにも、定期的な健康診断をお勧めします。

まとめ

肝臓腫瘍の多くはゆっくりと進行し、症状が現れるまで気づかないことも多々あります。
また肝臓腫瘍を発見したとき、手術を受けるべきかどうか、悩まれる飼い主さんも多くいらっしゃると思います。治療の選択肢については、獣医師が丁寧に説明いたしますので、まずはお気軽に当院までお尋ねください。

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