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DAIGO PET CLINIC

ハムスターの体表腫瘍について

ハムスターは、体表腫瘍が発生しやすい動物として知られています。特にドワーフハムスターでは、ゴールデンハムスターにくらべて発生率が高いことが報告されています。ハムスターに生じた腫瘤(しこり)を調べた研究では、ドワーフでは47/55検体(85%)が腫瘍であったのに対して、ゴールデンでは30/58検体(52%)でした。
ただし、一概に体表腫瘍といっても様々な種類があり、それぞれで見た目や症状、予後が異なります。まずは腫瘍ごとの特徴やその症状について、理解を深めておきましょう。

腫瘍の種類や症状

ハムスターには、非定型線維腫扁平上皮癌乳腺腫瘍(乳腺腫あるいは腺癌)アポクリン腺腫瘍(アポクリン腺腫あるいは腺癌)などの体表腫瘍が発生します。また、他の腫瘍とは由来が異なりますが、リンパ腫もよく遭遇します。

非定型線維腫はドーム状に膨れ上がる良性腫瘍で、ジャンガリアンハムスターの胸部や腹部、腋窩部(わきの下)などによくみられます。また、アンドロゲン(男性ホルモン)が増殖に関与するといわれているため、雄に多いことが特徴的です。

扁平上皮癌は顔や手足に好発する悪性腫瘍です。初期には赤みを帯びて腫れ上がり、次第に大きくなります。

乳腺腫瘍は雌のジャンガリアンハムスターに好発し、胸部や下腹部にみられます。良性あるいは悪性の可能性がありますが、手術で摘出し、病理検査をしなければ詳細はわかりません。

アポクリン腺腫瘍は、腋窩部の周囲によく認められる腫瘍です。良性あるいは悪性の可能性がありますが、手術で摘出し、病理検査をしなければ詳細はわかりません。

リンパ腫はゴールデンハムスターの下顎リンパ節(あごの下)に好発する造血器系の悪性腫瘍で、比較的若いハムスターでもみられることが特徴的です(33%は6カ月齢以下での発生という報告もあります)。さらに、皮膚型リンパ腫という皮膚の悪性腫瘍が知られています。いわゆるしこりはみられませんが、全身の皮膚が赤みを帯びて脱毛し、強い痒みを伴うことが特徴的です。

日常での注意事項

ハムスターの体表にしこりや赤みがみられたら、早急に動物病院を受診してください。多くの場合、治療は手術が主体となりますが、小動物であるハムスターは、麻酔や手術のリスクが高いため、獣医師とよく相談した上で、治療を決断しましょう。

 

ダイゴペットクリニックでは、定期的にエキゾチック特別診療を行っています。
皆様が飼っておりますハムスター等のペットでご心配な点がありましたら是非診療にお越しください。

※記事作成当時のエビデンスに基づくもので最新のものと異なる可能性があります。