犬と猫の結膜炎について|目が赤い!目やにが止まらない!結膜炎のサイン
犬や猫の目の病気の中でも特に多いのが結膜炎です。細菌やウイルスの感染が原因となることが多いですが、犬ではアレルギー性皮膚炎と関連して発生することもあります。そのため、正確な診断と適切な治療が非常に重要です。
今回は、犬と猫の結膜炎について、その原因や症状、そして当院での診断・治療方法について詳しく解説します。
目次
結膜炎とは
結膜は、まぶたの裏側から目の縁まで続く組織で、目の表面を保護し、病原体や異物の侵入を防ぐ重要な役割を担っています。
結膜炎とは、さまざまな原因によってこの結膜に炎症が生じた状態を指します。
原因
結膜炎は、感染性と非感染性の原因によって発症します。
<感染性結膜炎>
・細菌:ブドウ球菌が関与していることが多いです。
・クラミジア:特に若い猫によく見られます。
・ウイルス:犬では犬ジステンパーウイルス、犬ヘルペスウイルス、犬アデノウイルス2型、猫では猫アルファヘルペスウイルス2型や猫カリシウイルスが主な原因となります。
・その他:リケッチアや寄生虫の感染でも発症することがあります。
<非感染性結膜炎>
・アレルギー:特に犬で多く、アレルギー性皮膚炎に続いて発症することがあります。
・その他:化学物質による刺激やケガなどが原因で発症することもあります。
症状
結膜炎では、以下のような症状がよく現れます。
・結膜やまぶたが腫れる
・結膜が赤く充血する
・目ヤニが増える
・目を気にして擦る
診断
まず、結膜炎が感染性か非感染性かを判断します。目の表面を軽くぬぐって細胞を採取し、顕微鏡で観察することで、細菌やクラミジアの存在を確認します。
顕微鏡で確認できない場合は、PCR法(遺伝子検査)を使って診断することもあります。
また、アレルギーが原因で結膜炎が起こることもあります。この場合、皮膚に脱毛やかゆみが見られることが多いため、目だけでなく全身の症状を確認することが必要です。
さらに、他の目の病気と区別するために眼科検査を行うこともあります。
治療
結膜炎の治療は、その原因によって異なります。感染性の場合は、抗菌薬や抗ウイルス薬の内服や点眼が主な治療法となります。
一方、アレルギーが原因の結膜炎では、皮膚の症状も併発していることが多いため、ステロイドなどの薬を使用してアレルギー反応を抑える治療を行います。これにより、かゆみや炎症を軽減し、症状を改善します。
予防法やご家庭での注意点
結膜炎を予防するためには、まずワクチン接種をしっかりと行い、ウイルス感染を防ぐことが重要です。ウイルス以外の原因による結膜炎の予防は難しいですが、日頃から愛犬や愛猫とスキンシップをとり、目の異常を早期に発見することが大切です。
また、次のような点にも注意しましょう。
・清潔な環境を保つ:目に異物が入らないよう、周りを清潔に保つことが重要です。
・目の周りを定期的にチェックする:目やにや赤み、腫れなどの異常がないかを定期的に確認しましょう。
・アレルギーの管理:アレルギーがある場合はアレルギーの原因を特定し、それを避けるようにしましょう。
・定期的な健診を受ける:動物病院での定期健診を受けることで、目の健康を維持し、早期発見・早期治療が可能になります。
愛犬や愛猫の目の健康を守るために、日常のケアと定期的なチェックを心がけましょう。
まとめ
結膜炎はさまざまな原因で発症する目の病気です。同じような症状でも原因によって治療法が異なるため、しっかりと検査を行い、正確な診断を下すことが重要です。
愛犬や愛猫が目を気にする様子が見られたら、早めに動物病院を受診しましょう。
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