犬が震えるのはストレス?それとも病気?|病気のサインと受診の目安を解説
犬が体をぶるぶると震わせていると、「寒いのかな?」「もしかして怖がってる?」と心配になることもありますよね。確かに、震えは寒さや不安といった一時的な要因で起こることもあります。
しかし、実は震えが体調不良や病気のサインである場合もあるため、日常的な仕草とそうでない震えを見分けることがとても大切です。
そこで今回は、犬の震えに関して考えられる原因や、特に注意したい震えの様子、ご家庭で確認できるポイントなどについて解説します。
目次
犬の震え、どうして起こるの?
震えは、さまざまな原因によって筋肉が細かく動くことで現れる反応です。これは「筋肉の収縮」と呼ばれるもので、人間でいうと寒さで体が震えるときと似たような仕組みです。
この震えは、自分の意思とは関係なく起こる「不随意運動」とされており、一時的なものもあれば、体調や病気に関わることもあります。
つまり、単なる生理的な反応だけでなく、健康面で何かサインを送っている可能性もあるのです。
よく見られる「一時的な震え」の原因とは?
犬が震えているからといって、必ずしも体調が悪いとは限りません。中には、生理的な理由やそのときの感情によって一時的に震えることもあります。
◆緊張や不安、ストレスによるもの
花火や雷の音、動物病院への通院など、怖いと感じる状況に置かれると、緊張から体が震えてしまうことがあります。
◆寒さによるもの
特に小型犬や毛の短い犬種は、気温が下がると震えやすくなります。体温を保とうとする自然な反応です。
◆興奮しているとき
お散歩の前や大好きな遊びの途中など、うれしさや興奮から体が震えることもあります。
このように、震えが現れるタイミングにはそのときの環境や感情が関係しており、症状が出たり出なかったりするのが特徴です。また、多くの場合は短時間でおさまり、心配のいらないケースがほとんどです。
病気が関係しているかもしれない震えに注意
一方で、犬の震えが何らかの病気や体の異常によって起こっている可能性もあります。とくに、以下のような原因が考えられる場合は注意が必要です。
◆痛みによるもの
椎間板ヘルニアや関節炎、ケガ、手術後の違和感など、体のどこかに痛みがあると、そのストレスから震えが起きることがあります。
◆神経系の異常
てんかん発作やふるえ症候群(小脳障害などによる震え)など、神経の異常によって震えることがあります。
◆中毒によるもの
チョコレートやキシリトール、除草剤や農薬など、有害なものを口にしてしまうと中毒症状として震えが現れることがあります。
◆感染症による影響
細菌やウイルスが原因で起こる腎炎・膀胱炎・肺炎などの感染症でも、体調の変化として震えが見られることがあります。
◆内臓の疾患
腎不全や肝不全、低血糖など、内臓の働きに関わる病気でも震えが出る場合があります。
◆ホルモンバランスの異常
副腎や甲状腺などのホルモンに関わる病気があると、体の機能に影響を及ぼし、震えとして表れることがあります。
◆体温の異常
寒さによる低体温も、震えの原因になります。特に環境の変化が激しい時期には注意が必要です。
このような病気が関わっている場合、震えが短時間でおさまらずに続くことが多く、加えて「元気がない」「食欲がない」「呼吸が荒い」「嘔吐や下痢がある」といった他の症状が見られることもあります。
こんな震え方は注意が必要
これまでご説明したように、犬の震えには一時的なものと、病気などが関係している可能性のあるものがあります。
特に、以下のような症状を伴う震えが見られる場合は、体に何らかの異常が起きている可能性があります。できるだけ早く動物病院を受診し、獣医師に相談しましょう。
・食欲がない
・元気がない、動きたがらない、ぐったりしている
・呼吸が荒い、ヨダレが多い、嘔吐している
・体が熱い、または冷たく感じる
・意識がぼんやりしている、呼びかけに反応しない
・排尿や排便を失敗する、尿が出ない
ご家庭で気をつけたいチェックポイント
犬の震えを早く見つけ、必要に応じて早期に対応するためには、日頃からの観察がとても大切です。特に、以下のようなポイントを意識して見てあげることで、病気のサインに気づきやすくなります。
✅震えが起きるタイミングを確認する
例えば「食後」や「運動のあと」「寝起きすぐ」など、ある特定の行動と震えがセットになっている場合には、生理的な反応の可能性があります。
一方で、何の前触れもなく震えが出るような場合は注意が必要です。
✅震えの続く時間と、起きる頻度をチェックする
たまに短時間だけ震える場合は一時的なものかもしれませんが、数日間にわたって震えが続く、あるいは1日に何度も震えるといった様子が見られる場合には、病気が隠れている可能性もあります。
✅他の症状が出ていないか確認する
震えに加えて「痛がる」「熱があるように感じる」「ごはんを食べたがらない」などの変化が見られたときは、体のどこかに不調があるサインかもしれません。
まとめ|迷ったときは、動物病院で相談を
犬の震えには、寒さや興奮、ストレスといった一時的なものから、痛み・中毒・神経疾患など病気が関係しているものまで、さまざまな原因があります。
一時的な震えは短時間でおさまることが多いですが、病気が関係している場合は震えが長引いたり、元気がない・食欲がないといった他の症状が見られることもあります。
そのため、ご家庭では震えが「いつ・どんなときに起きるのか」「どれくらい続くのか」「他に気になる様子があるか」などをよく観察していただくことが大切です。
そして、「いつもと違うな」「ちょっと心配だな」と感じたときには、無理に判断しようとせず、早めに動物病院を受診して獣医師に相談してみましょう。
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