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犬と猫の歯のスケーリングについて|スケーリングのやり方や頻度は?

スケーリングとは、犬や猫の歯にたまった歯石を専用の機械で取り除く処置のことで、歯周病を予防するためにはとても重要です。歯周病は歯だけでなく全身の健康にも影響を及ぼすため注意が必要です。

今回はスケーリングの重要性や実際の処置方法について解説します。ご家庭の犬や猫が長く健康に過ごすためにも、定期的な実施をご検討ください。

スケーリングの重要性

犬や猫の歯にはどんどん歯垢がたまるため、ご家庭での歯磨きや定期的なスケーリングをしないと歯垢が固まって歯石となり、歯周病の原因になってしまいます。
歯石とは歯垢が唾液中のリンやカルシウムなどを取りこんで硬く石灰化したもので、歯垢は3~5日ほどで歯石になります

ご家庭での歯磨きで歯垢を取っていくことが重要ですが、奥歯などは歯磨きが行き届きにくく、ケアが十分にできないことがあります
また、一度歯石になってしまうと歯磨きだけでは取り切れず、さらに歯石の表面は凹凸状になっているため、放置するとその上に歯石が沈着していき、日に日に歯石がたまってしまいます

そこで一般的な対処法として定期的なスケーリングが勧められています。
237万頭の犬を対象としたアメリカで行われた調査では、1年に1回スケーリングすると命を落とすリスクが18.3%低下し、寿命を延ばすことに貢献するといわれています。
スケーリングは歯を正常に保つだけでなく、長く健康に暮らすためにもとても重要です。

スケーリングが必要なタイミングや頻度

全く歯石がない状態であればスケーリングは必要ありませんが、日ごろの歯磨きだけで完璧にケアすることは困難です。さきほどご紹介した文献やアメリカの獣医療団体(AAHA)が発表しているガイドラインでは、年1回のスケーリングの実施が推奨されます。

スケーリングのやり方

スケーリングは、①犬や猫にストレスを与えずに実施する、②歯周ポケットまできれいに処置を行う、などの目的で全身麻酔下で実施する必要があります

無麻酔でスケーリングを行った場合、部分的には歯石の除去ができますが、上記の目的が達成できないため、お勧めはできません。

麻酔前後の対応やリスクなどについては下記の記事でも解説しています。
犬と猫の麻酔について ~手術を受ける前に知っておきたいこと~

また、麻酔下で行うことから当院ではスケーリングだけでなくその他の検査(レントゲンや血液検査、エコー検査など)も一緒に実施していただくことをお勧めしています
定期的にスケーリングと併せて検査することで病気の早期発見にもつながり、犬や猫にとっての負担を軽減できます。

スケーリング中は専用の機械(スケーラー:超音波歯石除去装置)を使って歯石を取るとともに、再発防止のために表面を磨くポリッシングという処置も行います。

まとめ

ご家庭での歯磨きとともに、定期的なスケーリングは歯周病の予防に重要です。
ただし麻酔下で行う必要があるので、その他の検査と一緒に実施していただき、歯だけでなく全身の状態も定期的にチェックすることをお勧めします。

犬と猫の歯磨きについては下記の記事でも解説しています。
犬と猫の歯磨きについて|歯周病には要注意!

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※記事作成当時のエビデンスに基づくもので最新のものと異なる可能性があります。

<参考文献>
Risk Factors Associated with Lifespan in Pet Dogs Evaluated in Primary Care Veterinary Hospitals | Journal of the American Animal Hospital Association (allenpress.com)
Risk Factors Associated with Lifespan in Pet Dogs Evaluated in Primary Care Veterinary Hospitals | Journal of the American Animal Hospital Association (allenpress.com)