犬や猫の目が白く濁る原因とは?|角膜ジストロフィーの症状と対処法
愛犬や愛猫の目が白く濁っているのを見つけたとき、「ちゃんと見えているのかな?」「もしかして年齢のせいなの?」と、心配になりますよね。
犬や猫が快適に生活するうえで、目の健康は欠かせないものです。
しかし、目の曇りが必ずしも「年のせい」だけとは限りません。時には白内障や角膜ジストロフィーといった病気が原因になっていることもあります。
今回は、特に「角膜ジストロフィー」という病気に注目して、その症状や治療法について解説します。
目次
角膜ジストロフィーとは?
角膜とは、眼球の一番表面にある透明な膜のことで、4つの層でできており外側から「上皮」「実質」「デスメ膜」「内皮」に分かれています。
角膜はその透明性が維持されていることで、目の奥にある網膜に光を届ける大切な役割を担っています。
角膜ジストロフィーとは、角膜の「上皮」や「実質」の部分が、炎症を伴わずに白く濁ってしまう病気です。
特に犬では、若いころから発症することが多く、ビーグルやシベリアン・ハスキーなどが好発犬種として知られています。
一方で、猫でも発症の報告はありますが、非常にまれだと考えられています。
角膜ジストロフィーと同じく角膜が白くなるよく似た病気として角膜変性症があります。角膜変性症は高脂血症、高カルシウム血症、甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症などによって生じ、目の炎症を伴うこともあります。両目で発症することが多いですが、片目だけのこともあります。
目が白くなる病気に「白内障」がありますが、実はまったく異なる病気です。
白内障は角膜ではなく、目の中にある水晶体が白く濁ることで起こります。
主な症状と特徴
角膜ジストロフィーの特徴として、両目で発症して、炎症がないこと、犬種特異的であることが挙げられます。
<角膜ジストロフィーの好発犬種>
・シベリアンハスキー
・ボクサー
・ビション・フリーゼ
・キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
・アメリカン・コッカー・スパニエル
・ビーグル
・ラフ・コリー
・シェットランド・シープドッグ(シェルティ)
・ダックスフンド
初期症状として、まず角膜の中央部(目の真ん中)にキラキラとした白濁が見られます。この白濁は、まるで小さな結晶のように光って見えることもあります。
しかし、病気が進行すると白濁の範囲は次第に広がり、やがて視覚にも影響が現れ始めます。この段階になると、以下のように日常生活にも変化が見られます。
・歩くのを嫌がるようになる
・物や壁にぶつかってしまう
・段差につまずく
もし、こうした症状に気づいたときは、目が見えにくくなっている可能性がありますので、早めに動物病院を受診しましょう。
診断
多くの場合、飼い主様から「愛犬(愛猫)の目が白く濁っているんです…」といったご相談を受けて、動物病院に来院されることが多いです。
しかし、目の白濁を引き起こす病気は角膜ジストロフィー以外にもたくさんあります。そのため、しっかりとした検査で原因を突き止めることが大切です。
目の病気を診断するには、さまざまな眼科検査が必要になります。特に、角膜の病気を疑う場合には、次のような検査を行います。
◆視覚反応検査
目がどれだけ見えているかを確認します。
◆スリットランプ検査
目の構造や角膜の状態を詳しく調べることができます。
これらの検査によって、白内障や核硬化症といった、他の病気との違いを見分けることができます。
※眼科検査の詳しい方法については、別の記事でも詳しく解説していますので、ぜひそちらもご覧ください。
治療
角膜ジストロフィーは、残念ながら現在の獣医療では完治させることが難しい病気です。
特に薬物療法は効果が期待できず、場合によっては薬が逆に症状を悪化させてしまうこともあります。
そのため、自己判断で目薬やサプリメントを使用するのは控え、必ず獣医師の指示を仰ぐことが大切です。
もし、目の白濁が進行して視覚に大きな影響が出てしまう場合には、角膜表層切除術という手術を検討することもあります。この手術は、白濁した角膜の表面を取り除くことで、視覚の改善を目指す方法です。
しかし、この手術は高度な技術と専用の設備が必要なため、一般的な動物病院では対応できないことがほとんどです。手術を検討する場合は、眼科専門の動物病院や、専門的な治療を行っている医療機関を紹介してもらうと良いでしょう。
「治せない病気」と聞くと、とても不安になるかもしれませんが、生活環境を工夫して愛犬や愛猫が快適に過ごせるようにすることは可能です。
気になることがあれば、遠慮なく動物病院で相談してみましょう。
日常のケアと管理
角膜ジストロフィーは、遺伝が関係しているため予防が難しい病気です。しかし、日々のケアによって目の健康を守ることは十分に可能です。
まず、目の周りに目やにや涙の汚れが見られた場合は、柔らかいコットンやガーゼを使って、優しく拭いてあげましょう。
また、次のような目の異変に気づいたときは、早めに動物病院を受診することが大切です。
・目に赤みがある
・目が白く濁っている
・黄色い涙がたくさん出ている
さらに、目に明らかな異変が見られない場合でも、病気が隠れていることもあります。
特に角膜ジストロフィーは進行がゆっくりな場合もあるため、定期的に動物病院で検査を受けて、目の状態をチェックしてもらうと安心です。
まとめ
犬や猫の目の曇りには、角膜ジストロフィーや白内障など、さまざまな病気が隠れている可能性があります。
目の白濁だけでは、どの病気か見分けるのは難しいため、まずは早めに動物病院で検査を受けて、原因を突き止めることが大切です。
また、視覚は犬や猫の生活の質(QOL)に大きく影響するため、症状がなくても定期的な検査で目の健康状態をチェックしてあげると安心です。特に、高齢のペットや好発犬種の場合は、早め早めの対応がポイントです。
もし、愛犬や愛猫の目の様子に気になることがあれば、どうぞお気軽に当院までご相談ください。飼い主様にも愛犬・愛猫にも安心していただけるよう、精一杯サポートいたします。
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