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犬や猫の尿道再建術について|損傷した尿道を作り直す手術

以前の記事で、犬や猫の尿を出やすくするための手術法として、尿管切開SUBシステムや会陰尿道造瘻についてご説明しましたが、今回は尿道再建術という治療法をご紹介します。

尿道再建術は交通事故などの衝撃で尿道が損傷してしまったときに有効で、改めて尿が流れる道を作り体の外へと出してあげることで、犬や猫の命を救えます。

尿道再建術とは

尿道再建術とは、損傷した尿道を作り直す手術のことです。損傷の程度にもよりますが、基本的には途切れた端と端をつなぎ合わせることで治療します。

 

尿道再建術が適応されるケース

尿道再建術が適応されるのは、交通事故などによる強い衝撃で尿道が途切れたケースです。

なお、似た術式に会陰尿道造瘻がありますが、こちらは主に尿路結石などの尿道が詰まってしまう病気に有効な治療法です。

 

手術の流れとポイント

交通事故などで大きなケガを負っている場合、尿道の損傷以外にも骨盤の骨折や多量の出血など、致命的な状態に置かれている場合も少なくないため、動物が今どんな状態なのかを素早く確認して、応急処置を施します。

尿道が損傷しているケースでは、尿がお腹の中に漏れてしまっていることがあるため、腹膜炎というお腹の炎症を防ぐためにも、まずはカテーテルで尿を外に出す経路を確保します。その後、お腹を開けて途切れた尿道を見つけ出し、端と端をつなぐ手術を実施します。その際、尿道の損傷がひどかったり、つなぎ合わせるための長さを確保できなかったりする場合には、別の手術に変更するケースもあります。

 

術後の注意点

尿道が短くなるため、陰部からの感染で膀胱炎を発症しやすくなります。
術後、尿に血が混じったり頻尿が続いたりする場合には、早めに動物病院を受診することをお勧めします。

 

まとめ

尿道再建術は、交通事故などで尿道が途切れたときに用いられる手術法です。
尿道を損傷し、尿が腹腔内に漏れ出てしまうと腹膜炎などの原因となり、危険な状態に陥ってしまうため、緊急の対応が求められることを覚えておきましょう。

 

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犬や猫の会陰尿道造瘻について|尿道閉塞が治らないときの最終手段
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特にオスでは危険な状態になることも|犬の膀胱結石について
冬にご注意! 猫の膀胱炎について

 

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※記事作成当時のエビデンスに基づくもので最新のものと異なる可能性があります。