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犬と猫の肛門嚢摘出術について|肛門嚢ってなに?手術が必要な理由

犬や猫の飼い主様の多くは、「肛門腺絞り」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。肛門腺は肛門嚢という袋状の器官に分布しており、この場所に異常がある場合、肛門嚢摘出術という治療を検討する必要があります。

今回は、犬や猫の肛門嚢摘出術について、この治療法がどのように行われるのか、どのような病気に適応されるのかなどを詳しくご説明いたします。

肛門嚢摘出術とは

肛門嚢摘出術とは、その名の通り肛門嚢を取り除く手術のことです。肛門嚢はお尻の左右にある小さな袋状の器官で、肛門腺が分泌する物質を溜める役割を持っています。

肛門嚢摘出術が適応される病気

肛門嚢摘出術は、以下のような病気に対して適用されます。

重度の肛門嚢炎
肛門嚢破裂
肛門嚢腫瘍

健康な犬や猫であれば、排便時に肛門嚢から自然に分泌物が排出されるため、分泌物がたまりすぎることはありません。また、ご自宅や動物病院で定期的に肛門腺絞りを行うことで、分泌物のたまりすぎを防いでいる飼い主様も多いです。

肛門腺絞りについてはこちらで解説しています

しかし、分泌物がドロドロしていたり、肛門嚢から分泌物を排出する管が細かったりすると、分泌物がたまって炎症や破裂を引き起こすことがあります。そのような場合に、肛門嚢摘出術が必要となることがあります。

 

実際の治療法

肛門の横の皮膚を切開し、肛門嚢を確認します。肛門嚢を周囲の組織から慎重に剥がして取り除きます。傷口を丁寧に縫合して手術は終了です。
手術の前に肛門嚢に注射器でシリコンを注入して肛門嚢を膨らませることもあります。これにより肛門嚢の形がはっきりし、手術がしやすくなります。

シリコン充填剤

 

術後の注意点

手術後はお尻の周りを犬や猫が気にして舐めたりかじったりすることがあるため、エリザベスカラーの装着をしていただきます。

また、手術後の傷口が肛門に近い場所にあるため、感染を防ぐためにも、肛門に便が付いたらすぐにきれいにすることが大切です。

 

まとめ

肛門嚢摘出術は、重度の肛門嚢炎や肛門嚢の破裂に対して有効な治療法です。肛門嚢炎や肛門嚢の破裂を繰り返す場合には一度手術を受けて肛門嚢を取り除けば、繰り返す肛門嚢のトラブルから解放されます。
もし、愛犬や愛猫がこれらの症状でお困りでしたら、どうぞお気軽にご相談ください。

 

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※記事作成当時のエビデンスに基づくもので最新のものと異なる可能性があります。